- 23 Jul, 2026
含み益がほぼ消えた日、私は何もしなかった【2025年関税ショックからの回復と、39年ぶり円安でも動じない理由】
2025年1月24日。私のNISA口座のトータルリターンは、約119万円でした。順調に育っていた含み益です。 それが、わずか2ヶ月半後の4月9日には、約−11万円まで転落しました。評価額は約574万円→約432万円、実質投資額はほぼ変わらず約455万円→約442万円。約130万円分の含み益が、この短期間でほぼ消えたことになります。原因はトランプ関税ショックです。 あれから1年3ヶ月。2026年7月16日現在、評価額は約740万円、トータルリターンは約304万円まで回復しています。 そして今、私はまた別の局面に立っています。2026年7月、1ドル163円台という39年7ヶ月ぶりの円安です。この記事では、含み益が消えた日に何をした(何もしなかった)か、そして今回の円安局面にどう向き合っているかを、実際の数字で書きます。結論:含み益が消えても、円安が進んでも、やることは同じ 先に結論です。2025年1月に約119万円あった含み益は、2ヶ月半後の4月にはほぼ消え、含み損に転落しました。そのとき私は何もしませんでした。売らず、積立額も変えず、いつも通り買い続けただけです 結果、1年3ヶ月で評価額は約432万円→約740万円、トータルリターンは約−11万円→約304万円に回復しました 2026年7月の39年ぶり円安についても、方針は変わりません。淡々と積み立てを続けます暴落でも円安でも、私がやることは「何もしない(=いつも通り買い続ける)」の一択です。理由を数字とともに説明します。実際の数字:含み益が消えた日と、いまの差 私のNISA積立は、eMAXIS Slim S&P500と全世界株式(オルカン)をおおむね半々で保有しています。基本はつみたて投資枠でコツコツ積み立て、成長投資枠が余った年は、タイミングを意識せず枠の残りで購入するというシンプルな運用です。時点 評価額 実質投資額 トータルリターン2025年1月24日(暴落前) 約574万円 約455万円 約119万円2025年4月9日(暴落の底) 約432万円 約442万円 約−11万円2026年7月16日(現在) 約740万円 約436万円 約304万円2025年1月には順調に育っていた約119万円の含み益が、わずか2ヶ月半で約−11万円まで転落——評価額が投資額を下回るという、積立投資では珍しくない瞬間です。積み上げてきた含み益がほぼ消え、わずかにマイナスへ——正直、数字だけ見ればヒヤッとする局面です。 それでも私がやったことは、何もしないでした。売らない。積立額を減らさない。いつも通りの金額を、いつも通りのタイミングで買い続けただけです。 結果は表の通りです。1年3ヶ月で約315万円の差が生まれました。暴落の底で買うのをやめていたら、この回復の恩恵は受けられませんでした。新しい局面:2026年7月、39年7ヶ月ぶりの円安 そして今、また別の変化が起きています。2026年7月22日、1ドル163円台——これは1986年12月以来、39年7ヶ月ぶりの円安水準です。 背景は、中東情勢の緊迫による「有事のドル買い」と、財政赤字拡大への警戒感による円売りが重なったことだと報じられています。暴落記事で触れた「2026年の中東情勢」と、根っこは同じ出来事です。 円安は、外貨建て資産にとって何を意味するか ここで整理しておきたいのが、円安と保有資産の関係です。 eMAXIS Slim S&P500・オルカンはどちらも、実質的にはドルなど外貨建ての株式に投資しています。円安が進むと、同じドル建て資産でも円換算した評価額は増える方向に働きます。逆に円高が進めば、株価が同じでも円換算の評価額は目減りします。 つまり、私の資産が育っているのは、株価の上昇によるものなのか、円安によるものなのか、実は厳密には分けられません。そして正直に言うと、私はそれを気にしていません。 理由はシンプルです。円安で毎月の購入口数が多少減ったとしても、それでも買い続けるという方針は変わらないからです。為替が有利か不利かを判断して売買のタイミングを計るつもりはありません。株価も為替も、自分でコントロールできない変数です。コントロールできるのは「続けるかどうか」だけ。だから、そこだけを守っています。なぜ「何もしない」が選べるのか 暴落でも円安でも動じずにいられるのには、理由があります。生活防衛資金を別に確保している:最低でも生活費6ヶ月分は投資と切り離してあるので、含み損の局面でも生活が揺らぎません 長期前提で始めている:数年で使う予定のお金ではないので、一時的な評価額の上下は「通過点」でしかありません 積立を自動化している:判断する余地そのものを減らしてあります。相場のニュースを見てから「今月は減らそうか」と考える隙を作らないようにしています 暴落時こそ買う対象は決めてある:高配当株については、暴落時に買い増す銘柄を平時から決めています。インデックスは「何もしない」、高配当株は「買い増す」——役割を分けているので迷いません「今回は含み損でも、いずれ戻る」という楽観ではなく、戻らなかったとしても生活は揺らがない設計にしてある、というのが正確な言い方です。まとめ2025年4月9日、NISAのトータルリターンは約−11万円まで転落。含み益がほぼ消えた瞬間だった そのとき私は何もしなかった。売らず、積立額も変えず、いつも通り買い続けた 1年3ヶ月後の現在、評価額は約740万円、トータルリターンは約304万円まで回復 2026年7月、1ドル163円台という39年7ヶ月ぶりの円安が進行中。株価上昇と円安の寄与は区別していないが、方針は変わらない 暴落でも円安でも、やることは「淡々と積み立てを続ける」の一択含み益が消える瞬間も、歴史的な円安の局面も、長期投資をしていれば何度でも出会います。そのたびに判断を変えていたら、続きません。だからこそ、何もしないという判断を、事前に決めておくことが、いちばんの備えだと思っています。💡 自分の積立が長期でどう育つか、暴落や為替変動を気にせず試算したい方はこちら。 → 複利計算シミュレーターを使ってみる(無料・登録不要)よくある質問(FAQ) Q1. 約130万円の含み益が消えたとき、不安になりませんでしたか? 正直、ヒヤッとはしました。2025年1月に約119万円あった含み益が、2ヶ月半後にはマイナス約11万円まで転落したときです。ただ、生活防衛資金を投資と別に確保していることと、長期前提で始めていることから、慌てて売る理由がありませんでした。積立を自動化してあるため、そもそも「売るかどうか」を判断する場面自体がなかったのも大きいです。 Q2. 円安は保有資産にどう影響しますか? eMAXIS Slim S&P500やオルカンは実質的に外貨建て資産なので、円安が進むと円換算の評価額は増える方向に働き、円高になれば目減りする方向に働きます。ただし、資産が増えているのが株価上昇によるものか円安によるものかは厳密には分けられません。私はどちらが原因かを気にせず、いつも通り積み立てを続けています。 Q3. 円安が進んでいるいま、積立額を減らすべきですか? 私は減らしていません。円安で毎月買える口数は多少減りますが、為替のタイミングを計って売買を調整するつもりはないからです。株価も為替も自分でコントロールできない変数なので、コントロールできる「続けるかどうか」だけに集中しています。 Q4. トータルリターンがマイナスになったこと自体は珍しいのですか? 積立投資では、暴落局面で評価額が投資額を下回ること自体は珍しくありません。特に暴落が起きた直後は、それまで積み上げた含み益が一時的に消えることがあります。重要なのは、そこで売って損失を確定させないことだと考えています。 Q5. NISAはつみたて投資枠と成長投資枠、どちらで積み立てていますか? 基本はつみたて投資枠でコツコツ積み立てています。成長投資枠が余った年は、タイミングを意識せず枠の残りで購入するという運用です。相場のタイミングを狙って一括投資をするのではなく、余った枠を淡々と埋めていくイメージです。 Q6. 暴落時に何もしない一方、高配当株は買い増すそうですが、方針が矛盾しませんか? 矛盾していません。インデックス投資信託は「何もしない」ことが役割、高配当株は「暴落時に買い増す」ことが役割と、資産ごとに役割を分けているだけです。詳しくは暴落時の売買記録の記事にまとめています。{"@context":"https://schema.org","@type":"FAQPage","mainEntity":[{"@type":"Question","name":"約130万円の含み益が消えたとき、不安になりませんでしたか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"正直、ヒヤッとはしました。2025年1月に約119万円あった含み益が、2ヶ月半後にはマイナス約11万円まで転落したときです。ただ、生活防衛資金を投資と別に確保していることと、長期前提で始めていることから、慌てて売る理由がありませんでした。"}},{"@type":"Question","name":"円安は保有資産にどう影響しますか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"eMAXIS Slim S&P500やオルカンは実質的に外貨建て資産なので、円安が進むと円換算の評価額は増える方向に働き、円高になれば目減りする方向に働きます。資産が増えているのが株価上昇によるものか円安によるものかは厳密には分けられませんが、どちらが原因かを気にせず積み立てを続けています。"}},{"@type":"Question","name":"円安が進んでいるいま、積立額を減らすべきですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"私は減らしていません。円安で毎月買える口数は多少減りますが、為替のタイミングを計って売買を調整するつもりはないからです。株価も為替も自分でコントロールできない変数なので、コントロールできる続けるかどうかだけに集中しています。"}},{"@type":"Question","name":"トータルリターンがマイナスになったこと自体は珍しいのですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"積立投資では、暴落局面で評価額が投資額を下回ること自体は珍しくありません。特に暴落が起きた直後は、それまで積み上げた含み益が一時的に消えることがあります。重要なのは、そこで売って損失を確定させないことです。"}},{"@type":"Question","name":"NISAはつみたて投資枠と成長投資枠、どちらで積み立てていますか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"基本はつみたて投資枠でコツコツ積み立てています。成長投資枠が余った年は、タイミングを意識せず枠の残りで購入するという運用です。相場のタイミングを狙うのではなく、余った枠を淡々と埋めていくイメージです。"}},{"@type":"Question","name":"暴落時に何もしない一方、高配当株は買い増すそうですが、方針が矛盾しませんか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"矛盾していません。インデックス投資信託は何もしないことが役割、高配当株は暴落時に買い増すことが役割と、資産ごとに役割を分けているだけです。"}}]}関連記事・ツール暴落のとき、私は何をしたか【売買記録を全公開】 新NISAでインデックス投資と高配当株を5:5で持つ理由 高配当株の本当の強さは「増配」だった 30代子育て世帯が金融資産2,000万円を貯めるまでにやったこと 複利計算シミュレーター※本記事は運営者個人の運用記録に基づくものであり、特定の投資判断を推奨するものではありません。金額は概算で記載しています。為替・株価の動向や将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。詳細は免責事項をご確認ください。
- 20 Jul, 2026
育休手当はいつ・いくら振り込まれた?【申請から約2ヶ月半・初回約37万円の実録とシミュレーター答え合わせ】
7月中旬のある日、通帳に約37万円の振込がありました。育児休業給付金——いわゆる育休手当の、初回の振込です。 私が第2子の育休に入ったのは4月末。つまり、育休開始から初回の振込まで、約2ヶ月半かかったことになります。この間、給与はゼロ。「手当が出るから大丈夫」と思って育休に入ると、この最初の無収入期間に面食らうことになります。 この記事では、いつ・いくら振り込まれたのかの実録と、その金額がどういう計算で決まったのか、そして自作の育休手当シミュレーターとの答え合わせまで、実際の数字で書きます。結論:いつ・いくら振り込まれたか項目 実際育休開始 2026年4月28日会社への申請 4月末初回振込 7月中旬(育休開始から約2ヶ月半)振込額の内訳① 育児休業給付金(67%):月約17万円 × 2ヶ月分 = 約34万円振込額の内訳② 出生後休業支援給付金(+13%):約3.3万円初回振込の合計 約37万円振り込まれてしまえば「2ヶ月分まとめてドン」なので金額は大きいのですが、そこまでの2ヶ月半は収入ゼロ。ここが育休の家計設計でいちばん大事なポイントです。タイムライン:なぜ2ヶ月半もかかるのか 育休手当は「毎月の給料」のようには振り込まれません。流れはこうでした。4月28日:育休開始 4月末:会社へ申請書類を提出 〜6月末:支給単位期間(30日ごと)が2回分経過するのを待つ 7月上旬:支給決定通知が届く 7月中旬:初回振込(2ヶ月分まとめて)仕組み上、育休手当は「2ヶ月経過→会社経由で申請→審査→振込」という後払いです。1ヶ月目が終わった時点ではまだ申請すらできず、2ヶ月分たまってから手続きが動き出します。だから、どんなにスムーズでも初回振込は育休開始から2ヶ月半〜3ヶ月後になるのが普通です。 教訓はシンプルで、「最初の3ヶ月は無収入でも回る現金」を用意してから育休に入ること。我が家は生活防衛資金を別に確保してあったので慌てずに済みましたが、ここを知らないと「手当が出るはずなのにお金がない」という事態になります。振込額の計算を分解する:賃金月額 約25万円 → 月約17万円 支給決定通知には、算定の基礎となる賃金月額が記載されています。私の場合は約25万円でした。これは育休前6ヶ月の賃金(残業代込み・賞与除く)の平均です。ここから振込額までは、次の計算で決まります。ステップ 計算 金額賃金日額 賃金月額 ÷ 30 約8,400円月あたりの給付(67%期間) 賃金日額 × 30日 × 67% 約17万円2ヶ月分 × 2 約34万円出生後休業支援給付金(+13%) 賃金日額 × 30日 × 13% 約3.3万円合計約37万円ポイントを3つ補足します。67%は「休業開始から180日まで」の支給率です。181日目からは50%に下がります(このあたりの制度は前に整理したとおり) 出生後休業支援給付金は2025年4月に新設された上乗せで、条件を満たすと最初の期間が実質80%になります。私はこの対象だったので、+13%分が上乗せされました 賃金月額に何が含まれるかは、実は単純ではありません。賞与のような「3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」や「臨時に支払われる賃金」は算定から除外されますが、規定に基づく手当や一時金がどちらに当たるかは、解釈が分かれるケースがあります。我が家もここで判断に迷う出来事があり、現在ハローワークに確認中です。決着がついたら、別の記事で詳しく書きますシミュレーターとの答え合わせ:完全一致だった 私は育休前に、育休手当シミュレーターという無料ツールを自作して公開しています。会社員(雇用保険)と公務員(共済)を切り替えて、月ごとの給付額を概算できるものです。 作った本人として、いちばん緊張する瞬間が来ました。実際の支給決定通知と、ツールの試算は一致するのか。 結果は——完全一致でした。賃金月額を入れると、67%期間の月額も、+13%の上乗せ分も、通知書どおりの金額が出ました。厚労省の一次情報をもとに計算式を組んだツールを、自分の実際の給付で検証できた形です。💡 自分の金額で試す:育休前の月収と育休月数を入れると、月ごとの給付額(67%→50%・+13%対応)と総受給額がわかります。 → 育休手当シミュレーターを使ってみる(無料・登録不要)これから育休を取る方は、「初回振込までの2ヶ月半」と「月々いくらか」をセットで見積もっておくと、家計の不安がかなり減るはずです。手取り感覚では「思ったより減らない」 振込額だけ見ると「月17万円か……」と感じるかもしれません。でも、実際の家計へのダメージは額面ほどではありません。育休手当は非課税:所得税も住民税もかかりません 育休中は社会保険料が免除:健康保険料・厚生年金保険料がゼロになります(年金は払った扱いで将来も減りません)働いていたときの手取りは額面の75〜80%程度なので、「非課税の67%」は手取り比較では約8割に相当します。このカラクリは社会保険料免除の記事で詳しく書きました。これから育休を取る人へ:チェックリスト✅ 初回振込は育休開始から2ヶ月半〜3ヶ月後。それまでの生活費を現金で確保しておく ✅ 会社への申請はすみやかに。書類が遅れるほど振込も後ろにずれます ✅ 月々の給付額はシミュレーターで事前に試算しておく(67%→50%の切り替わりも含めて) ✅ 出生後休業支援給付金(+13%)の対象条件(原則、両親それぞれ14日以上の育休取得)を確認しておく ✅ 賃金月額の算定に何が含まれるかは、会社任せにせずハローワークにも確認する(会社の解釈が正しいとは限りません) ✅ 住民税は免除されない(前年所得分の納付書が来る)ので、その原資も取り分けておくまとめ初回の育休手当は、育休開始(4/28)から約2ヶ月半後の7月中旬に振り込まれた 金額は67%分が2ヶ月で約34万円+出生後休業支援13%分が約3.3万円=計約37万円 計算は「賃金月額 ÷ 30 × 30日 × 支給率」で、支給決定通知どおりに再現できた 自作シミュレーターの試算と完全一致。事前の見積もりは十分可能 最大の注意点は金額ではなく「初回までの無収入期間」。ここに備えてから育休に入るのが正解「手当がいくらもらえるか」は事前に計算できます。読めないのは「いつ振り込まれるか」の体感だけ——だからこそ、この実録が誰かの参考になればうれしいです。よくある質問(FAQ) Q1. 育休手当の初回振込はいつですか? 私の場合、育休開始(4月28日)から約2ヶ月半後の7月中旬でした。育休手当は30日ごとの支給単位期間が2回分たまってから会社経由で申請する後払いの仕組みなので、どんなにスムーズでも初回は開始から2ヶ月半〜3ヶ月後になるのが一般的です。それまでの生活費は事前に確保しておく必要があります。 Q2. 初回の振込額はいくらでしたか? 約37万円でした。内訳は、育児休業給付金(67%)が月約17万円×2ヶ月分=約34万円と、出生後休業支援給付金(+13%)が約3.3万円です。賃金月額(約25万円)をもとに「÷30×30日×支給率」で計算すると、支給決定通知どおりに再現できる金額でした。 Q3. 育休手当の金額は事前に計算できますか? できます。育休前6ヶ月の平均月収(残業代込み・賞与除く)が分かれば、67%期間・50%期間の月額と総額を見積もれます。私が公開している育休手当シミュレーターで試算したところ、実際の支給決定通知と完全に一致しました。会社員(雇用保険)と公務員(共済)の切り替えにも対応しています。 Q4. 賃金月額(算定の基礎)には何が含まれますか? 育休前6ヶ月の賃金の平均で、残業代や毎月の各種手当は含まれます。一方、賞与のような「3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」や「臨時に支払われる賃金」は除外されます。ただし、給与規定に基づく手当や一時金がどちらに当たるかは解釈が分かれるケースがあり、会社の担当者の判断が雇用保険の取り扱いと一致しているとは限りません。気になる支給項目がある場合は、会社任せにせずハローワークに直接確認するのが確実です(我が家も現在、確認中の項目があります)。 Q5. 振込までの無収入期間はどう乗り切ればいいですか? 生活費3ヶ月分程度の現金を、育休前に確保しておくのが基本です。加えて、育休中は社会保険料が免除され手当も非課税なので、支出側は思ったより軽くなります。ただし住民税(前年所得分)は免除されず納付書が届くため、その原資も忘れずに取り分けておいてください。 Q6. 出生後休業支援給付金(+13%)は誰でももらえますか? 原則として、両親がそれぞれ14日以上の育児休業を取得することが条件です(配偶者が専業主婦・主夫などの場合の例外あり)。対象になると、最初の期間の給付が67%+13%=実質80%になります。2025年4月に新設された比較的新しい制度なので、対象かどうか事前に確認しておくのがおすすめです。{"@context":"https://schema.org","@type":"FAQPage","mainEntity":[{"@type":"Question","name":"育休手当の初回振込はいつですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"私の場合、育休開始(4月28日)から約2ヶ月半後の7月中旬でした。育休手当は30日ごとの支給単位期間が2回分たまってから会社経由で申請する後払いの仕組みなので、初回は開始から2ヶ月半〜3ヶ月後になるのが一般的です。それまでの生活費は事前に確保しておく必要があります。"}},{"@type":"Question","name":"初回の振込額はいくらでしたか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"約37万円でした。内訳は、育児休業給付金(67%)が月約17万円×2ヶ月分=約34万円と、出生後休業支援給付金(+13%)が約3.3万円です。賃金月額をもとに計算すると支給決定通知どおりに再現できる金額でした。"}},{"@type":"Question","name":"育休手当の金額は事前に計算できますか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"できます。育休前6ヶ月の平均月収が分かれば、67%期間・50%期間の月額と総額を見積もれます。私が公開している育休手当シミュレーターで試算したところ、実際の支給決定通知と完全に一致しました。"}},{"@type":"Question","name":"賃金月額(算定の基礎)には何が含まれますか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"育休前6ヶ月の賃金の平均で、残業代や毎月の各種手当は含まれます。賞与のような3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金や臨時に支払われる賃金は除外されますが、規定に基づく手当や一時金がどちらに当たるかは解釈が分かれるケースがあります。会社任せにせず、ハローワークに直接確認するのが確実です。"}},{"@type":"Question","name":"振込までの無収入期間はどう乗り切ればいいですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"生活費3ヶ月分程度の現金を育休前に確保しておくのが基本です。育休中は社会保険料が免除され手当も非課税なので支出側は軽くなりますが、住民税(前年所得分)は免除されないため、その原資も取り分けておいてください。"}},{"@type":"Question","name":"出生後休業支援給付金(+13%)は誰でももらえますか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"原則として、両親がそれぞれ14日以上の育児休業を取得することが条件です(例外あり)。対象になると最初の期間の給付が実質80%になります。2025年4月新設の制度なので、対象かどうか事前に確認しておくのがおすすめです。"}}]}関連記事・ツール育休手当シミュレーター(無料・登録不要) 育休手当シミュレーターの使い方と計算根拠 育休中の社会保険料免除を2回体験した話【手取りは思ったより減らない】 育休中のふるさと納税の注意点【控除上限が下がる】 30代子育て世帯が金融資産2,000万円を貯めるまでにやったこと 公務員と会社員で育休手当はこんなに違った【両方取った私の実額:月約30万円→約17万円】 SESエンジニアでも1年の育休は取れるのか【切り出した日の反応・現場との調整・査定への影響まで全部話す】※本記事は運営者個人の受給記録に基づくものです。金額は概算で記載しています。支給額・支給時期は賃金・申請時期・ハローワークの処理状況等により異なります。制度の最新情報は厚生労働省・ハローワークの公式情報でご確認ください。詳細は免責事項をご確認ください。
- 19 Jul, 2026
生命保険をFWDの収入保障に切り替えた話【健康診断で引っかかりネット申込できず→FP面談で契約できた】
生命保険のネット申込フォームで、告知の途中から先に進めなくなった——今回の切り替えは、そんな場面から始まりました。 原因は、会社の健康診断で肝臓の数値に引っかかっていたことです。ネット完結のはずが、「FPとの面談が必要です」という案内に切り替わる。正直、「ああ、これは断られるか、高い保険料になるやつでは」と身構えました。 結論から言うと、夫婦とも無事に契約できました。それも、再検査の結果を添えて、標準より有利な優良体の区分で。この記事では、第2子の誕生を機に夫婦の死亡保障をチューリッヒの定期保険からFWDの収入保障保険へ切り替えた顛末を、健診で引っかかった場合の実際の流れまで含めて全部書きます。結論:保障は2.4倍・保険料は+約1,100円で切り替え完了 先に、切り替えの前後を比べます。切り替え前 切り替え後商品 チューリッヒ生命 定期保険(10年) FWD生命 無解約返戻金型収入保障保険Ⅱ(生活支援特則なし)保障 死亡時に一時金2,000万円(夫婦それぞれ) 死亡時から月20万円を保険期間満了まで(夫婦それぞれ・最低支払保証2年)保障の最大額 2,000万円 一時金受取を選ぶと約4,895万円(契約直後の場合。以後は残期間に応じて減少)月額保険料(夫婦計) 3,800円 4,946円(私2,650円+妻2,296円)第2子が生まれ、守るべき期間も金額も増えた我が家にとって、保険料は月1,100円ほどの増額で、保障のピークは2.4倍以上。複数社を比較した結果、このコスパでFWDに決めました。チューリッヒは現在解約手続き中です。なぜ切り替えたのか:前の記事の「宿題」を実行した じつはこの切り替え、掛け捨て生命保険の選び方を書いたときからの宿題でした。 あの記事で私は「シンプルさ重視で定期保険を選んだが、子の成長とともに必要保障額は減っていく実態を考えると、収入保障保険のほうが本来は合理的」と書いています。定期保険は、1年目に亡くなっても9年目に亡くなっても同じ2,000万円。でも実際に遺族に必要なお金は、子どもが大きくなるほど減っていきます。 収入保障保険は「死亡時から満了まで毎月定額」という形なので、保障の総額が残り期間に応じて自然に減っていく。必要保障額の実態に保険の形が一致しているぶん、同じ守り方を定期保険より安く買えます。 そこへ第2子の誕生が重なりました。守る対象が増えた以上、各2,000万円では足りない。「増額」と「形の最適化」を同時にやるなら、切り替えのタイミングとしてはベストでした。そもそも収入保障保険とは:遺族に「毎月の給料」のように届く保険 聞き慣れない方向けに、仕組みを整理しておきます。 収入保障保険は、契約者が亡くなったとき、遺族が保険期間の満了まで毎月定額(我が家なら月20万円)を受け取れる死亡保険です。一時金でドンと受け取る定期保険に対して、毎月の給料の代わりが届き続けるイメージです。 定期保険との違い定期保険 収入保障保険受け取り方 一時金(例:2,000万円) 毎月定額(例:月20万円)を満了まで保障の総額 いつ亡くなっても同じ 亡くなる時期が遅いほど減っていく(残り期間×月額)保険料 同じピーク保障額なら高め 割安向いている考え方 シンプルさ・分かりやすさ重視 必要保障額の実態に合わせたコスパ重視ポイントは「保障の総額が減っていく」をデメリットと捉えるかどうかです。遺族に必要なお金は、子どもが成長するほど(=残りの養育期間が短くなるほど)減っていきます。つまり収入保障保険は、必要な分だけを必要な期間だけ買う設計になっていて、使わない保障に保険料を払わない分だけ安い——ここが核心です。 知っておきたい用語2つ最低支払保証期間:満了間際に亡くなった場合でも、最低限この期間分は支払われるという保証です。我が家の契約は2年なので、極端な話、満了の1ヶ月前に亡くなっても2年分(月20万円×24ヶ月)は支払われます 一時金受取:毎月ではなく一括でまとめて受け取る選択肢です。ただし一括にすると、毎月受け取る場合の総額より少なくなるのが一般的です。遺族が状況に応じて選べる、と理解しておけば十分です死亡保険3タイプ(定期・収入保障・逓減定期)の詳しい比較は、前回の記事で解説しています。我が家の契約内容項目 内容商品 FWD生命「無解約返戻金型収入保障保険Ⅱ」特則 生活支援特則なし保障 月20万円(夫婦それぞれ)最低支払保証期間 2年受け取り方 毎月の年金形式のほか、一時金受取も選択可能(契約直後なら約4,895万円)生活支援特則を付けなかったのは、就業不能への備えは傷病手当金と貯蓄でカバーする方針を変えていないからです。保険はあくまで「死亡時に家族の生活費が消える」リスクに絞る——貯蓄型保険3社を解約したときからの、我が家の一貫した考え方です。 無解約返戻金型というのは、途中で解約してもお金が戻らない代わりに保険料が安いタイプです。掛け捨て派の我が家には、迷う余地はありませんでした。本題:健康診断で引っかかり、ネットで申し込めなかった ここからが、この記事でいちばん書きたかった部分です。 告知でストップがかかった 私は会社の健康診断で、肝臓の数値に引っかかったことがありました。ネット申込の告知でそれを正直に入力すると、ネット完結では進めなくなり、「FWDが委託しているFPとの面談が必要」という流れに切り替わりました。 「ネットで安く入れるのが取り柄なのに、面談って……」と一瞬ひるみましたが、これは断り文句ではなく、審査の入口でした。 面談はオンライン・夫婦合わせて約1時間 面談はオンラインと対面が選べたので、オンラインにしました。所要時間は夫婦2人分を合わせて1時間程度。契約内容の確認と告知まわりの手続きが中心で、拍子抜けするほど事務的に進みました。 そして特筆したいのがこれです。面談で、他の保険は一切勧められませんでした。 私は以前、昼食・託児所つきの無料FP相談で貯蓄型のユニットリンク保険を勧められた経験があります。「FPとの面談」と聞くとあの営業を思い出して警戒していたのですが、今回はまったく別物でした。申し込みたい商品の手続きを、必要な範囲でサポートしてくれるだけ。この点は安心して大丈夫です。 再検査の結果と健診結果で、約5日で承認 審査に使えるのは15ヶ月以内の健康診断結果でした。私の場合、引っかかった肝臓の数値は再検査で異常なしとなっており、数値もFWDの優良体の範囲内。結果、申し込みから5日程度で承認され、夫婦とも無事に契約できました。 健診で何かに引っかかった経験があると、「もう安い保険には入れないのでは」と諦めそうになります。でも実際は、再検査の結果や直近の数値しだいで、優良体の区分すら狙える。引っかかった事実だけで自己判断せず、告知して審査を受けてみる価値はあります。切り替えで注意したこと新しい保険の承認が出てから、古い保険を解約する:先にチューリッヒを解約してしまうと、万一審査に落ちた場合に無保険期間ができます。我が家はFWDの承認を確認してから解約手続きに入りました 収入保障保険は掛け捨てで、満期金も解約返戻金もありません:貯蓄機能を求める商品ではなく、その分をNISAで運用するのが我が家の役割分担です 告知は正直に:数値を隠して契約しても、支払い時に告知義務違反で保険金が出なければ本末転倒です。引っかかった事実こそ正確に伝えて、審査に判断してもらうのが結局いちばん安全ですまとめ第2子の誕生を機に、夫婦の死亡保障をチューリッヒ定期(各2,000万円・計3,800円)→FWD収入保障(各月20万円・計4,946円)へ切り替え 保障のピークは約4,895万円(一時金受取の場合)と2.4倍以上になって、保険料の増加は月約1,100円 健診の肝臓の数値でネット申込はできなかったが、FWD委託のFPとのオンライン面談(夫婦計約1時間)を経て、約5日で承認 面談で他の保険は勧められなかった。無料FP相談の営業とはまったく別物 再検査で異常なし・数値が範囲内だったため優良体で契約できた。健診で引っかかった経験があっても、諦める前に審査を受けてみる価値あり保険の見直しは「解約して終わり」ではなく、家族が増えたら保障も増やす——攻め(運用)と守り(保険)の両方をメンテナンスして、我が家の家計はできています。よくある質問(FAQ) Q1. 健康診断で引っかかっていると、生命保険には入れませんか? 入れる可能性は十分あります。私は肝臓の数値で引っかかりネット申込はできませんでしたが、再検査で異常なしだったこと、直近の数値がFWDの基準の範囲内だったことから、標準より有利な優良体の区分で契約できました。引っかかった事実だけで諦めず、再検査の結果や15ヶ月以内の健康診断結果を用意して審査を受けてみることをおすすめします。 Q2. 収入保障保険と定期保険はどちらがいいですか? 同じ守り方を安く買いたいなら収入保障保険が合理的です。遺族に必要なお金は子どもの成長とともに減っていくため、「死亡時から満了まで毎月定額」という収入保障の形は必要保障額の実態に合っています。一方、定期保険は保障額が一定でシンプルなので、管理のしやすさを重視するなら選択肢になります。我が家は当初シンプルさで定期保険を選び、第2子の誕生を機に収入保障へ切り替えました。 Q3. FP面談では他の保険を勧められませんか? 私の場合、一切勧められませんでした。申し込んだ収入保障保険の手続きと告知の確認だけで、夫婦2人分を合わせて1時間程度で終わりました。保険ショップや無料FP相談の「提案型」の面談とは性質が違い、審査手続きの一環としての面談でした。 Q4. 申し込みから契約まで、どれくらいかかりましたか? 我が家は申し込みから承認まで5日程度でした。流れは「ネット申込→告知内容によりFP面談の案内→オンライン面談(夫婦計約1時間)→審査→承認」です。健康診断結果(15ヶ月以内のもの)を審査に使えたのが、スムーズだった理由だと思います。 Q5. 古い保険はいつ解約すればいいですか? 新しい保険の承認が出てからです。先に解約すると、万一新しい保険の審査に落ちた場合に無保険の期間ができてしまいます。我が家もFWDの承認を確認してから、チューリッヒの解約手続きに入りました。 Q6. 生活支援特則は付けるべきですか? 我が家は付けませんでした。就業不能への備えは、会社員なら傷病手当金(通算1年6ヶ月)という公的保障があり、それを超える分は貯蓄で対応する方針だからです。保険は「死亡時に家族の生活費が消える」リスクに絞り、それ以外は公的保障と貯蓄でカバーする——保険料を最小にする我が家の考え方です。ただし公的保障が手薄な自営業の方などは、検討の価値があります。{"@context":"https://schema.org","@type":"FAQPage","mainEntity":[{"@type":"Question","name":"健康診断で引っかかっていると、生命保険には入れませんか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"入れる可能性は十分あります。私は肝臓の数値で引っかかりネット申込はできませんでしたが、再検査で異常なしだったこと、直近の数値が基準の範囲内だったことから、優良体の区分で契約できました。再検査の結果や15ヶ月以内の健康診断結果を用意して審査を受けてみることをおすすめします。"}},{"@type":"Question","name":"収入保障保険と定期保険はどちらがいいですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"同じ守り方を安く買いたいなら収入保障保険が合理的です。遺族に必要なお金は子どもの成長とともに減っていくため、収入保障の形は必要保障額の実態に合っています。定期保険は保障額が一定でシンプルなので、管理のしやすさ重視なら選択肢になります。"}},{"@type":"Question","name":"FP面談では他の保険を勧められませんか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"私の場合、一切勧められませんでした。申し込んだ収入保障保険の手続きと告知の確認だけで、夫婦2人分を合わせて1時間程度で終わりました。審査手続きの一環としての面談で、提案型の営業とは性質が違いました。"}},{"@type":"Question","name":"申し込みから契約まで、どれくらいかかりましたか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"申し込みから承認まで5日程度でした。ネット申込→告知内容によりFP面談の案内→オンライン面談→審査→承認という流れです。15ヶ月以内の健康診断結果を審査に使えたのがスムーズだった理由だと思います。"}},{"@type":"Question","name":"古い保険はいつ解約すればいいですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"新しい保険の承認が出てからです。先に解約すると、万一新しい保険の審査に落ちた場合に無保険の期間ができてしまいます。我が家も新しい保険の承認を確認してから解約手続きに入りました。"}},{"@type":"Question","name":"生活支援特則は付けるべきですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"我が家は付けませんでした。就業不能への備えは傷病手当金という公的保障と貯蓄で対応する方針だからです。ただし公的保障が手薄な自営業の方などは検討の価値があります。"}}]}関連記事掛け捨て生命保険の選び方【必要保障額の計算法】 我が家の保険ポートフォリオ全公開 昼食・託児所付きFP無料相談会でユニットリンクを勧められた話 貯蓄型保険3社を解約してNISAに全額移した話 30代子育て世帯が金融資産2,000万円を貯めるまでにやったこと※本記事は運営者個人の体験に基づくものであり、特定の保険商品の契約を推奨するものではありません。保険料・引受基準・審査結果は年齢・健康状態・時期により異なります。最新の商品内容はFWD生命の公式サイトでご確認ください。詳細は免責事項をご確認ください。
- 18 Jul, 2026
高配当株の本当の強さは「増配」だった【2年半で年間配当が3割増えた保有銘柄を公開】
「配当利回り3.4%の株」と聞いて、どう感じるでしょうか。「悪くないけど、地味だな」——数年前の私はそう思っていました。 でも、いま同じ株が、私の買値に対して利回り7.1%になっています。株価が上がったからではありません。配当そのものが、保有している間に2倍以上に育ったからです。 この記事では、新NISAが始まる直前の2023年12月28日に成長投資枠で買った保有銘柄のうち6つについて、実際の購入単価×配当の実績で「増配がどれだけ効くか」を公開します。結論から言うと、株を1株も買い足していないのに、年間の配当収入は2年半で約3割増えました。 高配当株投資の本当の強さは、買った日の利回りではなく、この「育つ力」にあります。前提:配当利回りは「買った日の数字」でしかない 最初に、この記事の核になる考え方をひとつだけ。 株価情報サイトに出ている配当利回りは、「いまの株価で買った場合」の数字です。でも、あなたが過去に買った株の利回りは、あなたの買値で決まります。買値ベースの利回り=年間配当 ÷ 自分の購入単価これをYOC(Yield on Cost・取得利回り)と呼びます。買値は一生変わりません。だから、保有中に増配されるたびに、YOCは一方的に上がっていきます。ポートフォリオの記事で三菱UFJの「配当が10年で約4倍」に触れましたが、今回はそれを自分の保有銘柄の実額で検証します。実録:2023年12月に買った6銘柄の配当は、2年半でこう育った 2023年12月28日、新NISAの成長投資枠で買った銘柄のうち6つの記録です(購入単価は実際の約定値。配当はIRBank掲載の実績、2026年度は会社予想)。 銘柄ごとの配当推移とYOC銘柄 購入単価 購入時の配当(年) 最新の配当(年) 配当の伸び YOC(買値利回り)三菱UFJ 1,205.5円 41円 86円(2026/3実績) 2.1倍 7.1%JT 3,589円 194円 242円(2026/12予想) 1.2倍 6.7%INPEX 1,915円 74円 108円(2026/12予想) 1.5倍 5.6%三菱商事 2,262円 70円 125円(2027/3予想) 1.8倍 5.5%三菱HCキャピタル 948円 37円 51円(2027/3予想) 1.4倍 5.4%NTT 172.4円 5.1円 5.4円(2027/3予想) 1.06倍 3.1%購入時、どの銘柄も利回りは3〜5%台でした。それが2年半後のいま、買値ベースでは多くが5%台後半〜7%台になっています。 とくに三菱UFJは、購入時の2024年3月期が41円、そこから64円→86円と2期連続の大幅増配で、配当が2.1倍。「3.4%の地味な株」だったはずが、私の買値に対しては7.1%を配り続ける株になりました。 6銘柄合計:年間配当は約4.6万円 → 約6.0万円(+31%) この6銘柄への投資額は合計約110万円です。受け取れる年間配当を「購入時点の水準」と「現在」で比べると——年間配当(6銘柄計) 投資額に対する利回り購入時点(2023年12月)の配当水準 約45,500円 約4.1%現在(2026年・実績ベース) 約59,800円 約5.4%会社予想まで含めると 約63,000円 約5.7%繰り返しますが、この間、これらの株は1株も買い足していません。私は何もしていない。企業が利益を伸ばし、株主への配分を増やした——それだけで、同じ元本からの「給料」が3割増えたのです。増配は「配当の複利」になる インデックス投資の複利は有名ですが、増配株にも複利がかかります。それも二重に。増配そのものが複利で効く:年7%の増配が10年続けば、配当は約2倍。私の三菱UFJのように年30%超の増配が続けば、数年で別物になります 配当の再投資でさらに複利:受け取った配当で同じ増配株を買えば、「増える配当」を生む株数自体が増えていきます「今の利回り3%台」は入口にすぎず、増配力のある銘柄は、持っている時間そのものがリターンを底上げしてくれる。これが、私が高配当株を「長期保有前提・売らない」で持っている理由です。株価が上下しても配当は受け取れるので、暴落局面でも売らずにいられる心理的な支えにもなっています。💡 この「二重の複利」が自分の数字だとどうなるか、試算できるツールを作りました。投資額・配当利回り・増配率を入れると、将来の受取配当とYOCの推移がグラフで出ます。配当を再投資した場合としない場合も切り替えられます。 → 増配率シミュレーターを使ってみる(無料・登録不要)増配銘柄をどう選んでいるか 私の基準はポートフォリオ記事に書いた3つと同じです。財務が健全(自己資本比率が高い) 増配の実績がある(または配当を維持してきた) 利回り3%後半〜5%程度(高すぎる利回りはリスクのサイン)今回の6銘柄で言えば、三菱HCキャピタルは25期以上連続で増配を続けてきた日本を代表する連続増配銘柄です(2026年3月期も増配して記録を更新中)。三菱商事・三井物産のような商社も、「減配せず維持か増配」を掲げる累進配当の代表格です。 過去の配当推移はIRBankで銘柄ごとに無料で確認できます。「利回りランキング」ではなく「配当の推移が右肩上がりか」から入るのが、私の銘柄の見方です。増配率は何%で見ればいい?調べ方と目安 シミュレーターを使うとき、増配率に何%を入れればいいのかで迷うと思います。ここが一番わかりにくいところなので、私の調べ方を書いておきます。 ステップ1:IRBankで「何年で何倍になったか」を見る IRBankの配当ページ(例:NTT(9432))を開くと、1株あたり配当の推移が一覧で並んでいます。 ただし、IRBankには「増配率」という列はありません。前期比は出ますが、年平均が何%かは自分で出す必要があります。とはいえ難しい計算は不要で、見るのは2つだけです。いちばん古い年の配当(10年前でも5年前でもかまいません) 直近の配当この2つで「何年で何倍になったか」がわかります。 ステップ2:倍率を年率に換算する あとは下の表を当てはめるだけです。累乗の計算をしなくても、だいたいの年率がわかります。配当が 5年でその倍率なら 10年でその倍率なら1.2倍 年 3.7% 年 1.8%1.3倍 年 5.4% 年 2.7%1.5倍 年 8.4% 年 4.1%1.8倍 年 12.5% 年 6.1%2.0倍 年 14.9% 年 7.2%2.5倍 年 20.1% 年 9.6%3.0倍 年 24.6% 年 11.6%逆から見ると、年率のインパクトはこうなります。増配率 10年後の配当 20年後の配当年2% 1.22倍 1.49倍年3% 1.34倍 1.81倍年5% 1.63倍 2.65倍年7% 1.97倍 3.87倍年10% 2.59倍 6.73倍年5%でも20年で配当は2.65倍です。利回り4%で買った株が、買値ベースでは10%を超える計算になります。 私の保有6銘柄の実測値 冒頭の表を年率に直すと、こうなります。銘柄 期間 配当の伸び 年平均の増配率三菱UFJ 2年 2.1倍 年 約45%INPEX 2年 1.46倍 年 約21%三菱商事 3年 1.79倍 年 約21%JT 2年 1.25倍 年 約12%三菱HCキャピタル 3年 1.38倍 年 約11%NTT 3年 1.06倍 年 約2%6銘柄合計 2年半 1.31倍 年 約12%目安:私は「年3〜5%」で試算しています ここが大事なところです。上の実測値をそのまま将来に当てはめてはいけません。 三菱UFJの年45%は、金利上昇局面で銀行株の利益が急拡大した数年間の数字です。これが20年続く前提で計算すると、配当が約1,600倍という非現実的な結果になります(10年でも41倍)。同じように、直近数年が絶好調だった商社・資源株の20%台も、そのまま延長できる数字ではありません。 私がシミュレーターに入れるときは、こう使い分けています。保守的に見たいとき:年3%(NTTのような低成長銘柄も含めた、ポートフォリオ全体の下振れケース) 標準:年5%(増配実績のある銘柄を分散して持った場合の、現実的な線) 強気ケース:年7〜10%(連続増配銘柄が期待どおり伸びた場合の上限イメージ)低めに見積もって、それでも十分だと思えるかを確認する——シミュレーターはこの使い方が一番役に立ちます。実際より低い数字を入れて満足できるなら、その投資は続けやすいはずです。 なお、増配率がマイナス(減配)でも試算できます。「もし1割減配されたら受取配当はどうなるか」を見ておくと、減配のニュースが出たときに慌てずに済みます。💡 → 増配率シミュレーターで試してみる(無料・登録不要)正直な注意点:増配は約束ではない いいことばかり書いてきたので、逆側も正直に。 JTは減配した過去がある 今回YOC6.7%と好成績のJTですが、2021年12月期に154円→140円へ減配した過去があります。当時の株主は「配当が育つ」どころか、減る痛みを経験しています。その後の回復と大幅増配(140円→242円予想)があっての現在です。増配の歴史は、減配の可能性を消してはくれません。 NTTのように「ほぼ育たない」銘柄もある NTTの配当は5.1円→5.4円と、2年半で+6%。増配は続いているものの、三菱UFJ(+110%)とは馬力がまるで違います。私のNTTのYOCは3.1%と、購入時からほぼ変わっていません。「高配当株」と一括りにしても、増配の力は銘柄ごとに大差がある——6銘柄を並べたこの表自体が、その証拠です。 予想は予想 表の「最新の配当」の一部は会社予想です。業績が崩れれば下方修正も減配もあり得ます。だからこそ、1銘柄に賭けずセクターを分散して保有しています。まとめ:買った日の利回りで、高配当株を判断しない配当利回りは「買った日の数字」。保有中の増配で、買値ベースの利回り(YOC)は一方的に上がっていく 2023年12月に買った6銘柄は、2年半で年間配当が約4.6万円→約6.0万円(+31%)に。1株も買い足していない 三菱UFJは配当2.1倍・YOC7.1%。一方でNTTは+6%と、増配の馬力は銘柄で大差がある 増配は約束ではない。JTの減配歴が示すとおり、財務とセクター分散が前提 銘柄選びは「今の利回り」より「配当の推移が右肩上がりか」から「利回り3%台の地味な株」が、数年後のあなたにとって6%・7%の株に育っているかもしれない——増配株の長期保有は、それを狙う投資です。焦らず、売らず、配当が育つのを待つ。私はこれからも、この方針で続けます。💡 あなたの保有銘柄だと、配当は何年後にいくらまで育つでしょうか。投資額・配当利回り・増配率を入れるだけで、受取配当とYOCの推移、そしてNISAと特定口座の累計差額まで出せます。 → 増配率シミュレーターを使ってみる(無料・登録不要) → 積立と複利で資産全体がどう育つかは複利計算シミュレーターへよくある質問(FAQ) Q1. YOC(取得利回り)とは何ですか? 年間配当を「自分の購入単価」で割った、買値ベースの配当利回りのことです(Yield on Cost)。株価情報サイトの利回りは今の株価に対する数字ですが、YOCは自分の買値に対する数字なので、保有中に増配されるたびに上がっていきます。私の三菱UFJは購入時利回り3.4%でしたが、2年半の増配でYOCは7.1%になりました。 Q2. 増配株は今の利回りが低くても買う価値がありますか? 増配力しだいでは、あります。今の利回り3%でも年7%の増配が10年続けば、買値ベースでは約6%になります。逆に、今の利回りが高くても増配が止まっている銘柄は、その利回りのまま育ちません。私は「今の利回り3%後半〜5%程度」かつ「増配の実績がある」銘柄を選ぶことで、入口の利回りと育つ力の両方を取るようにしています。 Q3. 増配しているかどうかは、どこで確認できますか? IRBankで銘柄ごとの配当推移が無料で確認できます。私は銘柄を検討するとき、利回りランキングではなく、まず過去10年程度の配当推移が右肩上がりかを見ます。あわせて自己資本比率などの財務も確認し、「増配を続ける体力があるか」まで見るのがおすすめです。 Q4. 増配株なら売らずに持ち続けるべきですか? 私は長期保有前提で、基本的に売りません。保有しているだけでYOCが上がっていくのが増配株の強みで、売却すればその積み上げがリセットされるからです。例外は、業績悪化で減配リスクが高まった場合や、株価上昇で利回りが極端に下がり同じ資金でより効率の良い財務優良銘柄に移せる場合です。 Q5. 減配されたらどうするのですか? まず減配の理由を確認します。一時的な業績要因か、構造的な衰退かで対応は変わります。実際、保有銘柄のJTには2021年に154円から140円へ減配した過去がありますが、その後242円(予想)まで回復・増配しています。減配イコール即売却ではなく、財務と事業の見通しで判断します。ただし減配リスクをゼロにはできないので、セクター分散で1銘柄の影響を小さくしておくことが大前提です。 Q6. NISAで増配株を持つメリットは何ですか? 配当への課税(約20%)がゼロになるため、増配の効果がまるごと手取りに乗ります。私は新NISAの成長投資枠で高配当株を保有しており、今回の6銘柄の年間配当約6万円も非課税で受け取れています。増配で配当が育つほど、非課税の恩恵も大きくなっていきます。ただしNISA口座で買っただけでは配当は非課税になりません。配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」にしていないと、NISA口座の株でも約20%が源泉徴収されます。証券会社の設定を一度ご確認ください。 Q7. 増配率は何%で見積もればいいですか? 私は保守的に年3%、標準で年5%、強気ケースで年7〜10%を使い分けています。過去の実測値をそのまま将来に当てはめないことが大切で、たとえば私の保有する三菱UFJは直近2年で年45%相当の増配でしたが、これは金利上昇局面の特殊な数字です。20年続く前提で計算すると非現実的な結果になります。調べ方は、IRBankで「何年で何倍になったか」を確認し、記事内の換算表で年率に直すのが簡単です。低めに見積もっても十分だと思えるかを確認する使い方をおすすめします。{"@context":"https://schema.org","@type":"FAQPage","mainEntity":[{"@type":"Question","name":"YOC(取得利回り)とは何ですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"年間配当を自分の購入単価で割った、買値ベースの配当利回りのことです(Yield on Cost)。保有中に増配されるたびに上がっていきます。私の三菱UFJは購入時利回り3.4%でしたが、2年半の増配でYOCは7.1%になりました。"}},{"@type":"Question","name":"増配株は今の利回りが低くても買う価値がありますか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"増配力しだいでは、あります。今の利回り3%でも年7%の増配が10年続けば、買値ベースでは約6%になります。私は「今の利回り3%後半〜5%程度」かつ「増配の実績がある」銘柄を選ぶことで、入口の利回りと育つ力の両方を取るようにしています。"}},{"@type":"Question","name":"増配しているかどうかは、どこで確認できますか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"IRBankで銘柄ごとの配当推移が無料で確認できます。利回りランキングではなく、まず過去10年程度の配当推移が右肩上がりかを見て、あわせて自己資本比率などの財務も確認するのがおすすめです。"}},{"@type":"Question","name":"増配株なら売らずに持ち続けるべきですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"私は長期保有前提で基本的に売りません。保有しているだけでYOCが上がっていくのが増配株の強みだからです。例外は、業績悪化で減配リスクが高まった場合や、株価上昇で利回りが極端に下がった場合です。"}},{"@type":"Question","name":"減配されたらどうするのですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"まず減配の理由を確認し、一時的な業績要因か構造的な衰退かで判断します。保有銘柄のJTには2021年に減配した過去がありますが、その後回復・増配しています。減配リスクはゼロにできないため、セクター分散で1銘柄の影響を小さくしておくことが大前提です。"}},{"@type":"Question","name":"NISAで増配株を持つメリットは何ですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"配当への課税(約20%)がゼロになるため、増配の効果がまるごと手取りに乗ります。増配で配当が育つほど、非課税の恩恵も大きくなっていきます。ただしNISA口座で買っただけでは配当は非課税になりません。配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」にしていないと、NISA口座の株でも約20%が源泉徴収されます。証券会社の設定を一度確認してください。"}},{"@type":"Question","name":"増配率は何%で見積もればいいですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"私は保守的に年3%、標準で年5%、強気ケースで年7〜10%を使い分けています。過去の実測値をそのまま将来に当てはめないことが大切で、保有する三菱UFJは直近2年で年45%相当の増配でしたが、これは金利上昇局面の特殊な数字です。20年続く前提で計算すると非現実的な結果になります。調べ方は、IRBankで何年で何倍になったかを確認し、換算表で年率に直すのが簡単です。低めに見積もっても十分だと思えるかを確認する使い方をおすすめします。"}}]}関連記事・ツール新NISAでインデックス投資と高配当株を5:5で持つ理由 暴落のとき、私は何をしたか【売買記録を全公開】 含み益が消えた日、私は何もしなかった【39年ぶり円安でも動じない理由】 30代子育て世帯が金融資産2,000万円を貯めるまでにやったこと 増配率シミュレーター(配当がいくらまで育つかYOCで試算) 複利計算シミュレーター 三菱UFJの株価が3倍になった話【2023年12月に買った1銘柄・評価損益率200%超】 RIZAP株主優待でチョコザップが1年半額に【200株・投資額4万円で年間利回り48%】※本記事は運営者個人の保有記録と体験の共有であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。配当はIRBank掲載の実績および各社予想(2026年7月時点)に基づく概算で、将来の配当を保証するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。詳細は免責事項をご確認ください。
- 17 Jul, 2026
暴落のとき、私は何をしたか【2024年8月・2025年関税ショックの売買記録を全公開】
2024年8月5日。日経平均が1日で4,451円安(−12.4%)という、過去最大の下げ幅を記録した日です。 SNSは阿鼻叫喚、ニュースは「ブラックマンデー超え」の見出し。含み益が音を立てて消えていく——そんな日に自分が何をするか、暴落が来る前に考えたことはあるでしょうか。 私はこの日を含めて、2024年8月の急落・2025年4月のトランプ関税ショック・2026年の中東情勢の悪化と、3回の暴落局面を通ってきました。この記事では、そのとき私が実際に何をしたか(何をしなかったか)を、証券口座の約定記録ベースで公開します。 先に断っておくと、これは「暴落時に買えば儲かる」という話ではありません。下がっている最中に買うのは、毎回怖いです。それでも行動を決めておけたのはなぜか、まで含めて書きます。結論:やることは2つだけ決めてあった 私の暴落時のルールはシンプルです。資産 暴落時にやることインデックス投資信託(NISA) 何もしない。売らない・積立額も変えない高配当株 むしろ買い増す。財務優良な銘柄を割安で仕込む機会と捉えるインデックスは「何もしない」が仕事、高配当株は「動く」が仕事——同じ暴落でも、資産の役割によって取る行動を分けています。この使い分けはポートフォリオの考え方で書いたとおりです。 以下、3回の暴落で実際にどうだったかです。実録①:2024年8月5日(日経−12.4%)——J-REITとNTTを買った 歴史的暴落の日、私が買ったのはJ-REIT、NTT、そしてispace(保有銘柄で唯一のベンチャー・宝くじ枠)でした。 かっこよく聞こえるかもしれませんが、実態は地味です。当時は仕事が忙しく、株価をゆっくり見る時間すらありませんでした。昼休みに「大きく下がっている」ことだけ確認して、以前から「下がったら買い足したい」と思っていた銘柄に注文を入れた——それだけです。 そして、これが結果的に良かったと思っています。張り付いて値動きを見ていたら、たぶん怖くなっていました。数週間後に口座を見たら、いつの間にか戻っていた。暴落の渦中で感じる恐怖の大半は、画面を見ている時間に比例するのかもしれません。実録②:2025年4月・トランプ関税ショック——底の1週間で9銘柄・約34万円 2025年4月2日にアメリカが「相互関税」を発表し、世界同時株安になりました。日経平均は4月7日に1日で2,644円安。このときの私の約定記録がこちらです。約定日 銘柄 購入単価4/7 あいホールディングス 1,838円4/7 東ソー 1,818円・1,813円(2回)4/7 本田技研 1,222円4/7 三菱商事 2,384円4/7 MS&AD 2,596円4/7 NTT 139.1円4/7 学究社 2,011円4/8・4/9 三菱ケミカルグループ 637円・612円4/10 セントケア・ホールディング 747円底になった4月7日を中心に、1週間で9銘柄・合計約34万円を買い増しました。銘柄はどれも、普段からウォッチしている財務優良な高配当株です。暴落時に新しい銘柄を探したのではなく、「いつか安く買いたい」と決めてあったリストを、安くなった日に淡々と買っただけです。 その後どうなったか(2026年7月16日終値ベース)銘柄 購入単価 現在株価 騰落あいホールディングス 1,838円 2,704円 +47%東ソー 平均1,816円 2,764.5円 +52%本田技研 1,222円 1,558.5円 +28%三菱商事 2,384円 4,530円 +90%MS&AD 2,596円 4,553円 +75%NTT 139.1円 150.9円 +8%学究社 2,011円 2,553円 +27%三菱ケミカルグループ 平均630円 1,202.5円 +91%セントケア・ホールディング 747円 (MBOで上場廃止・TOB価格1,220円) +63%単純な株価比較の概算で、約34万円の買い増し分は約1.5倍(+55%前後)に相当します。セントケアはその後MBO(経営陣による買収)が発表され、TOB価格1,220円で上場廃止になりました。暴落の底で買った株が、思わぬ形で締めくくられた例です。 ※この間の株式分割等は未調整の概算です。また、当時は特定口座で購入した分をその後NISAで買い直しているため、口座上の含み益とは一致しません。実録③:2026年・中東情勢——買い増しでキャッシュが尽きた 今年の中東情勢の悪化による下落でも、方針は同じでした。高配当株を全体的に買い増しています。 ただ、今回は正直な反省もあります。この買い増しで、投資用のキャッシュがほぼなくなりました。 暴落は一度で終わるとは限りません。二番底が来たときに買う余力を残しておくのがセオリーですが、私は今回それを使い切りました。次の下落が来ても、しばらくは「見ているだけ」になります。買い増し戦略は、弾(現金)の管理とセットでないと続かない——3回目にして得た教訓です。 なお、ここで言う投資用キャッシュは生活防衛資金とは別枠です。最低でも生活費6ヶ月分の現金には、暴落時でも一切手をつけません。その間、投資信託は「何もしなかった」 3回の暴落を通じて、NISAのインデックス投資信託は、売却も積立金額の変更も一度もしていません。 何もしなかった結果がどうなったかは、数字が示してくれています。旧つみたてNISA:元本102.5万円 → 228.6万円(2023年末から追加なしの放置) 児童手当のS&P500積立:2025年4月の下落中も自動買付を止めず、+30.19%。下落時に安く買えた口数が、回復局面でリターンを押し上げました積立を「自動」にしてあるのが効いています。暴落のニュースを見てから「今月は積立を減らそうか」と考える余地自体をなくしておく。積立の全自動化は、暴落対策でもあるのです。なぜ暴落時に買えるのか:勇気ではなく段取り 「暴落時に買うのは怖くないのか」と聞かれれば、毎回怖いです。それでも動けるのは、勇気があるからではなく、事前の段取りで判断を減らしてあるからだと思っています。生活防衛資金が別にある——最悪、投資分が半分になっても生活は壊れない 買う銘柄を先に決めてある——暴落してから探すのではなく、ウォッチリストの銘柄が「セール価格」になるのを待つ インデックスは自動化してある——判断の必要がそもそもない 財務優良な銘柄しか持っていない——「この会社は暴落で潰れない」と思えるものだけなら、下落は割安化を意味する逆に言うと、この土台がないまま「暴落はチャンス」という言葉だけ真似するのは危険です。下がっている株がさらに下がることは普通にありますし、私のセントケアのような幸運な結末が約束されているわけでもありません。まとめ:暴落が来る前に、行動を決めておく私のルールは2つ:インデックスは何もしない・高配当株は買い増す 2024年8月5日(日経−12.4%):J-REIT・NTT・ispaceを購入。仕事が忙しくて株価を見られず、「いつの間にか戻った」 2025年4月・関税ショック:底の1週間で9銘柄・約34万円を買い増し → 概算で約1.5倍に 2026年・中東情勢:買い増しでキャッシュが枯渇。買い増しは弾の管理とセットが教訓 投資信託は3回とも売却ゼロ・減額ゼロ。自動化が狼狽売りを防いでくれた暴落のさなかに冷静な判断はできません。だからこそ、平時のいまのうちに「下がったら自分はどうするか」を決めておく——それがこの記事で一番伝えたいことです。💡 暴落があっても長期の積立がどう育つか、自分の金額で確かめたい方はこちら。 → 複利計算シミュレーターを使ってみる(無料・登録不要)よくある質問(FAQ) Q1. 暴落したら投資信託は売るべきですか? 私は3回の暴落で一度も売っていませんし、積立金額も変えていません。長期のインデックス投資は「下落時も買い続けることで安く口数を仕込める」仕組みなので、途中で売ると損失を確定させるだけになりがちです。実際、下落中も自動買付を止めなかった児童手当のS&P500積立は+30.19%になっています。 Q2. 暴落時の買い増しは初心者にもおすすめですか? 高配当株は、暴落時にこそ買うべきだと考えています。それは初心者でも同じです。財務優良な銘柄を割安に仕込める機会は、市場が恐怖で売られる局面にしか来ないからです。ただし前提として、生活防衛資金を投資と分けて確保しておくこと、そして下落してから慌てて銘柄を探すのではなく、平時から「安くなったら買いたい」財務優良銘柄のリストを作っておくことが必要です。買う銘柄さえ決めてあれば、暴落時にやることは淡々と注文を入れるだけになります。 Q3. どうやって「底」で買えたのですか? 狙って底を当てたわけではありません。2025年4月の場合、大きく下がった日(4月7日)に、以前から決めてあった銘柄へ淡々と注文を入れたら、結果的にそこが底に近かっただけです。底を当てることは誰にもできない前提で、「大きく下がったら決めてある銘柄を買う」というルールだけ守っています。 Q4. 暴落時に買った株が、さらに下がったらどうしますか? 財務優良で減配リスクが低いと判断した銘柄しか買っていないので、さらに下がっても保有を続け、余力があれば追加します。株価が戻らなくても配当を受け取り続けられることが、高配当株投資の心理的な支えになっています。ただし2026年の中東情勢では買い増しでキャッシュを使い切ってしまい、余力管理の甘さを反省しました。 Q5. 暴落中は株価をこまめにチェックしたほうがいいですか? 私の経験では逆でした。2024年8月の暴落時は仕事が忙しくて株価をほとんど見られず、気づいたら戻っていました。張り付いて見ているほど恐怖が増して、狼狽売りのリスクが上がると感じます。やることを事前に決めてあれば、見る必要があるのは「注文を入れる一瞬」だけです。 Q6. 暴落に備えて現金はどれくらい持っておくべきですか? まず生活防衛資金として、最低でも生活費6ヶ月分は投資と完全に分けて確保しておきたいところです。「3ヶ月分」という目安も見かけますが、暴落は収入減(不況・失業)と重なることがあるため、私は6ヶ月分でも少し心もとないと感じています。そのうえで、買い増し用の投資キャッシュを別に持つなら、一度の暴落で全部使わないことをおすすめします。私は2026年の下落で使い切ってしまい、二番底が来ても動けない状態を経験しました。分割して投入する設計にしておくべきだったというのが反省です。{"@context":"https://schema.org","@type":"FAQPage","mainEntity":[{"@type":"Question","name":"暴落したら投資信託は売るべきですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"私は3回の暴落で一度も売っていませんし、積立金額も変えていません。長期のインデックス投資は下落時も買い続けることで安く口数を仕込める仕組みなので、途中で売ると損失を確定させるだけになりがちです。実際、下落中も自動買付を止めなかった児童手当のS&P500積立は+30.19%になっています。"}},{"@type":"Question","name":"暴落時の買い増しは初心者にもおすすめですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"高配当株は、暴落時にこそ買うべきだと考えています。それは初心者でも同じです。財務優良な銘柄を割安に仕込める機会は、市場が恐怖で売られる局面にしか来ないからです。ただし前提として、生活防衛資金を投資と分けて確保し、平時から「安くなったら買いたい」財務優良銘柄のリストを作っておくことが必要です。"}},{"@type":"Question","name":"どうやって「底」で買えたのですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"狙って底を当てたわけではありません。大きく下がった日に、以前から決めてあった銘柄へ淡々と注文を入れたら、結果的にそこが底に近かっただけです。底を当てることは誰にもできない前提で、「大きく下がったら決めてある銘柄を買う」というルールだけ守っています。"}},{"@type":"Question","name":"暴落時に買った株が、さらに下がったらどうしますか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"財務優良で減配リスクが低いと判断した銘柄しか買っていないので、さらに下がっても保有を続け、余力があれば追加します。株価が戻らなくても配当を受け取り続けられることが心理的な支えになっています。ただし余力の管理は重要で、一度の暴落で使い切らない設計が必要です。"}},{"@type":"Question","name":"暴落中は株価をこまめにチェックしたほうがいいですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"私の経験では逆でした。2024年8月の暴落時は仕事が忙しくて株価をほとんど見られず、気づいたら戻っていました。張り付いて見ているほど恐怖が増して、狼狽売りのリスクが上がると感じます。やることを事前に決めてあれば、見る必要があるのは注文を入れる一瞬だけです。"}},{"@type":"Question","name":"暴落に備えて現金はどれくらい持っておくべきですか?","acceptedAnswer":{"@type":"Answer","text":"まず生活防衛資金として、最低でも生活費6ヶ月分は投資と完全に分けて確保しておきたいところです。暴落は収入減と重なることがあるためです。そのうえで買い増し用の投資キャッシュを持つなら、一度の暴落で全部使わず、分割して投入する設計をおすすめします。私は使い切ってしまい、二番底が来ても動けない状態を経験しました。"}}]}関連記事・ツール新NISAでインデックス投資と高配当株を5:5で持つ理由 高配当株の本当の強さは「増配」だった【保有銘柄のYOCを公開】 含み益が消えた日、私は何もしなかった【39年ぶり円安でも動じない理由】 児童手当を全額S&P500に投資している話(下落中も止めなかった記録) 30代子育て世帯が金融資産2,000万円を貯めるまでにやったこと NISAの始め方を入門者向けに解説 複利計算シミュレーター 三菱UFJの株価が3倍になった話【2023年12月に買った1銘柄・評価損益率200%超】※本記事は運営者個人の売買記録と体験の共有であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。騰落率は2026年7月16日終値ベースの概算(株式分割等は未調整)です。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。詳細は免責事項をご確認ください。