公務員と会社員で育休手当はこんなに違った【両方取った私の実額:月約30万円→約17万円】
- 07 Aug, 2026
目次
私は公務員時代に第1子で9ヶ月、IT企業に転職してから第2子で12ヶ月(現在取得中)と、立場の違う2回の育休を取りました。
同じ「休業開始から180日は67%」という制度なのに、実際に振り込まれた金額は月約30万円と月約17万円。月13万円の差がありました。
なぜここまで違ったのか。制度の違いだけが理由ではありません。この記事では、両方を経験した当事者として、実額と差がついた理由を正直に書きます。
結論:同じ67%でも、月約13万円違った
先に数字を出します。
| 第1子(公務員) | 第2子(会社員) | |
|---|---|---|
| 制度 | 育児休業手当金(共済組合) | 育児休業給付金(雇用保険) |
| 算定のベース | 標準報酬月額 約45万円 | 賃金月額 約25万円 |
| 67%期間の月額 | 約30万円 | 約17万円 |
| 取得期間 | 9ヶ月 | 12ヶ月(取得中) |
差がついた理由は2つあります。転職で年収そのものが下がったことと、算定方法が違うことです。順に説明します。
💡 自分の場合はいくら?:育休前の月収と育休月数を入れると、月ごとの給付額(67%→50%)と総受給額がグラフでわかります。会社員(雇用保険)と公務員(共済)をタブで切り替えられるので、この記事と同じ比較がご自身の数字でできます。 → 育休手当シミュレーターを使ってみる(無料・登録不要)
公務員と会社員で、育休手当のしくみはどう違うのか
まず制度の違いを整理します。
| 項目 | 公務員 | 会社員 |
|---|---|---|
| 名称 | 育児休業手当金 | 育児休業給付金 |
| 支給元 | 共済組合 | 雇用保険(ハローワーク) |
| 算定のベース | 標準報酬月額 | 直近6ヶ月の賃金の平均 |
| 給付率 | 180日まで67%/以降50% | 180日まで67%/以降50% |
| 書類の提出先 | 共済組合(勤務先経由) | ハローワーク(勤務先経由) |
| 取得できる期間 | 最長で子が3歳になるまで | 原則1歳まで(延長で最長2歳) |
給付率は同じです。違うのは、何を基準に67%を計算するかという点です。
実際に手続きしてみて感じた違いは、ほとんどありませんでした
先に手続きの話をしておきます。
正直なところ、申請の手間に大きな違いは感じませんでした。どちらも勤務先を経由して書類を出す流れで、自分で役所に行くようなことはありません。
唯一の違いは、書類の最終的な提出先が公務員の場合はハローワークではないことです。公務員は共済組合、会社員は雇用保険なので当然といえば当然ですが、「育休手当=ハローワーク」と思い込んでいると混乱するかもしれません。
振込までの期間についても、極端な差は感じませんでした。会社員側の実際の流れは育休手当はいつ・いくら振り込まれた?に書いています。
なぜ月13万円も差がついたのか
ここが本題です。理由は2つあり、制度の違いだけではありません。
理由①:転職で年収が100万円以上下がった
一番大きいのはこれです。
私は公務員からIT業界へ未経験で転職しており、年収は100万円以上下がりました。育休手当は休業前の給与を基準に計算されるので、基準になる給与そのものが下がっていれば、手当も下がります。
月13万円の差のうち、相当部分はこの「年収そのものの差」です。制度が不利になったわけではありません。ここを混同して「公務員の方が制度的に優遇されている」と結論づけるのは正確ではないと思っています。
理由②:算定方法の違い——4〜6月の残業が1年間効く
そのうえで、算定方法の違いも確実に効いています。
- 公務員:標準報酬月額が基準。標準報酬月額は、毎年4〜6月の報酬の平均で決まり、その年の9月から翌年8月まで1年間適用される
- 会社員:休業前直近6ヶ月の賃金の平均が基準
私の第1子の育休のとき、基準となった年の4〜6月は、残業が著しく多い時期でした。その3ヶ月の残業代が標準報酬月額を押し上げ、結果としてほぼ上限に近い水準で1年間固定されていました。
その状態で育休に入ったため、標準報酬月額約45万円が基準になり、67%で約30万円という計算になったわけです。
たまたま忙しい時期が4〜6月に重なったことが、育休手当を押し上げた——これが実際に起きたことです。
公務員が知っておくべきこと:標準報酬月額は4〜6月で決まる
ここが、この記事で一番お伝えしたい点です。
公務員の育休手当は標準報酬月額がベースであり、その標準報酬月額は4〜6月の報酬の平均で決まります。つまり、
4〜6月にどれだけ残業したかが、その後1年間の育休手当を左右します。
私の場合は偶然そうなっただけですが、育休の取得時期がある程度見えているなら、この仕組みは知っておいて損はありません。逆に、4〜6月がたまたま閑散期だった年に標準報酬月額が決まっていれば、同じ年収でも手当は下がります。
会社員の場合は直近6ヶ月の平均なので、この「4〜6月だけが効く」という現象は起きません。同じ育休手当でも、意識すべきポイントがまったく違うということです。
💡 標準報酬月額を変えて試す:公務員タブで標準報酬月額を入れ替えると、4〜6月の残業の有無で手当がどれだけ変わるかを数字で確認できます。育休の時期がある程度見えている方は、一度試しておくことをおすすめします。 → 育休手当シミュレーターで試算する
ボーナスの扱いも違いました
もう1つ、実際に体験して差を感じたのがボーナスです。
公務員時代は、育休中でもボーナスの一部が支給されました。
公務員のボーナスは期末手当と勤勉手当に分かれており、扱いが違います。
| 育休期間の扱い | |
|---|---|
| 期末手当 | 育休期間を1/2として在職期間を算定 → 一部支給される |
| 勤勉手当 | 育休期間は全除算 → 支給なし |
つまり期末手当の側だけ、育休期間を半分カウントして按分された金額が振り込まれました。育休中に収入がある——これは正直、心理的にかなり助かりました。
会社員の賞与については、育休中の扱いは会社の規定次第です。多くの企業では算定期間中の勤務実績がなければ支給されません。ここは就業規則を確認しておくポイントだと思います。
なお、育休中の社会保険料は公務員・会社員どちらも免除されます。この仕組みは育休中の社会保険料免除を2回体験した話に詳しく書いています。
取得できる期間も違います(私が9ヶ月にした理由)
制度上は、公務員は最長で子が3歳になるまで、会社員は原則1歳まで(保育園に入れないなどの事情があれば最長2歳まで延長)と、取得できる期間に差があります。
ただ私の場合、第1子の育休を9ヶ月にしたのは制度の上限とは関係ありません。単純に、育休を開始した時点から子が1歳になるまでが9ヶ月だったからです。当時は妻が里帰りしていた期間もあり、そのタイミングで復帰しました。
制度上は3歳まで取れるとはいえ、実際にそこまで取る人は多くありません。「取れる期間」と「実際に取る期間」は別物だというのが実感です。
まとめ:制度の違いと年収の違いを分けて考える
- 公務員と会社員では、給付率(67%→50%)は同じ。違うのは算定のベース
- 公務員は標準報酬月額(4〜6月の報酬で決まり1年間適用)、会社員は直近6ヶ月の賃金平均
- 私の実額は、第1子(公務員)が月約30万円、第2子(会社員)が月約17万円
- 差の大部分は転職による年収低下。制度の違いだけで13万円ついたわけではない
- ただし公務員は4〜6月の残業が1年間効くという構造があり、私の場合はそれが手当を押し上げた
- ボーナスは公務員なら育休中も期末手当の一部が出る。勤勉手当はゼロ
- 手続きの手間はほぼ同じ。提出先が共済組合かハローワークかの違い
両方を経験して思うのは、「公務員だから手厚い」と単純化しない方がいいということです。給付率は同じですし、差の多くは自分の給与水準そのものから来ています。
一方で、算定の仕組みが違うと、意識すべきタイミングも変わります。これから育休を取る方は、自分がどちらの制度なのかを確認したうえで、基準になる期間を把握しておくことをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 公務員と会社員で、育休手当の給付率は違いますか?
違いません。どちらも休業開始から180日までが67%、181日目以降が50%です。違うのは給付率ではなく、何を基準に計算するか(公務員は標準報酬月額、会社員は直近6ヶ月の賃金平均)という点です。
Q2. 公務員の標準報酬月額はいつ決まりますか?
毎年4〜6月の報酬の平均をもとに決まり、その年の9月から翌年8月まで適用されます。したがって、4〜6月に残業が多かった年に決まった標準報酬月額は、その後1年間の育休手当にも影響します。
Q3. 実際にいくらもらえましたか?
第1子(公務員)は67%期間で月約30万円、第2子(会社員)は月約17万円でした。ただしこの差の大部分は、公務員からIT業界へ転職して年収が100万円以上下がったことによるもので、制度の違いだけによるものではありません。
Q4. 育休中にボーナスはもらえますか?
公務員の場合、期末手当は育休期間を1/2として在職期間を算定するため一部が支給されます。勤勉手当は育休期間が全除算されるため支給されません。会社員の賞与は会社の規定次第で、算定期間中の勤務実績がなければ支給されないことが多いです。
Q5. 手続きは公務員と会社員でどのくらい違いますか?
私が体験した限り、手間に大きな差はありませんでした。どちらも勤務先を経由して書類を提出します。違いは提出先で、公務員は共済組合、会社員はハローワーク(雇用保険)です。
Q6. 公務員は3歳まで育休を取れるのですか?
制度上は最長で子が3歳になるまで取得できます(会社員は原則1歳まで、事情があれば最長2歳まで延長)。ただし実際にそこまで取る人は多くありません。私自身、第1子のときは9ヶ月で復帰しました。
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免責事項:本記事は運営者個人の受給記録と体験の共有です。金額は概算で記載しています。育休手当の額・支給期間・ボーナスの取り扱いは、加入している共済組合や勤務先の規定、制度改正により異なります。制度の最新情報は共済組合・ハローワーク等の公式情報をご確認ください。詳細は免責事項をご確認ください。
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