ワンルームから撤退した私が、次にJ-REITを見ている理由【利回り5.2%・東証REIT指数1,745】

ワンルームから撤退した私が、次にJ-REITを見ている理由【利回り5.2%・東証REIT指数1,745】
目次

先日、保有している高配当株の配当金が振り込まれました。

そのたびに考えるのが「この配当を、次にどこへ回すか」です。そして今、私が見ているのがJ-REIT(不動産投資信託)です。

投資用ワンルームマンション3戸を、トータル約300万円の赤字で売却して撤退したのが私です。その私が、また不動産を見ている。

矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、私が撤退した理由は「不動産がダメだから」ではなく「実物のワンルームがダメだったから」です。そこは切り分けています。

この記事では、なぜ今J-REITを検討しているのかを、数字と考え方の両方から正直に書きます。

先にお断りしておくと、私は投資の専門家ではありません(保有資格はFP3級です)。これは「買うべき」という話ではなく、私が何を考えて、何を調べているかという記録です。投資の判断はご自身の責任でお願いします。


現在地:J-REITはいま、かなり売られています

まず数字から見てください。2026年9月8日時点のデータです。

指標数値
東証REIT指数1,745.66ポイント(前日比 -0.80%)
J-REIT平均分配金利回り5.22%
日本10年国債利回り2.88%
イールドスプレッド2.34ポイント

東証REIT指数は2026年4月末に1,880ポイント台をつけたあと、反転らしい反転がないまま下げ続けています。直近数日を見ても、9月2日1,779 → 9月4日1,769 → 9月8日1,745と、じりじり切り下がっている状況です。

理由ははっきりしています。長期金利の上昇です。

日本の10年国債利回りは、2024年末に1.2%程度だったものが2025年末に2.0%、そして直近では2.9%近くまで上がってきました。

J-REITにとって金利上昇は、素直に逆風です。

  • 借入コストが増える → 分配金の原資が圧迫される
  • 国債の利回りが上がる → 「わざわざリスクを取ってREITを買う理由」が薄れる

実際、この2つで投資家の買い意欲がしぼみ、価格が下がっています。J-REITの利回りが5%台に乗っているのは、分配金が増えたからではなく、価格が下がったからです。ここは正確に理解しておく必要があります。


なぜ、それでも私はJ-REITを見ているのか

理由は3つあります。

理由1:高配当株は「人気のない場所」で買うものだと考えているから

私の高配当株の買い方は、上昇中の銘柄を追いかけないという一点に尽きます。

いま日本の高配当株で人気があるのは、商社と銀行です。株価は上がり、話題にもなっています。でも、株価が上がるということは、利回りが下がるということです。

配当利回りは「年間配当 ÷ 株価」なので、株価が2倍になれば利回りは半分になります。人気が出てから買うと、同じ配当をもらうために倍のお金を払うことになる。

だから私は逆を見ます。いま人気がなく、株価が売られていて、その結果として利回りが上がっているセクターです。

そして今、その条件に当てはまっているのが不動産・J-REITです。金利上昇で嫌われ、指数は9か月ぶりの安値圏、利回りは5%台。人気がないから利回りが高い、という状態がそのまま起きています。

理由2:セクターは循環するから

これは私が長期投資で最も大事にしている考え方です。

景気にはサイクルがあり、セクターの人気は巡ります。

金利が上がる局面では、銀行が買われ、不動産が売られます。金利が下がる局面では、その逆が起きます。どちらかが永久に勝ち続けることはありません。

いま不動産セクターが売られているのは、金利上昇という明確な理由があるからです。逆に言えば、金利の局面が変われば、この理由は消えます。

そのとき何が起きるか。

  • 価格が回復すれば、含み益になる
  • 価格が回復しなくても、安く仕込んだぶん、利回りは高いまま受け取り続けられる

私が高配当株投資でずっとやっているのは、この後者の確保です。増配の記事にも書きましたが、取得価格が安いほど、その後の配当が育ったときの実質利回り(YOC)が跳ね上がります。

人気がないうちに仕込んで、循環が巡ってくるのを待つ。これが私の基本方針であり、いまJ-REITを見ている一番の理由です。

もちろん、これは「いつか必ず戻る」という保証ではありません。私がそういう前提で長期保有する覚悟がある、というだけの話です。

理由3:ワンルームで失敗した理由が、J-REITでは当てはまらないから

ワンルーム投資で私が痛い目を見た原因は、はっきりしています。

  • フルローン依存(変動金利が4%まで上がる見込みになったのが売却の決め手でした)
  • 1物件への集中(空室が出たら収入がゼロ)
  • 流動性の低さ(売るのに数か月)
  • 表面利回りと実質利回りの乖離(実質は1〜2%程度でした)

これらを、J-REITと並べてみます。

項目投資用ワンルームJ-REIT
必要資金1戸数千万円〜1口数万円〜
利回り表面4〜5%(実質1〜2%)分配金 現在5%台
流動性売却に数か月株式と同じく即時売買
管理の手間入居者対応・修繕・確定申告ほぼゼロ
分散1物件のみ数十〜数百物件
ローン自分が借金を背負う自分は借金をしない
NISA×○(成長投資枠)

決定的なのは「ローン」の行です。

J-REITも、投資法人としては金融機関から借入をしています。だから金利上昇の影響は受けます。でもそれは投資口の価格に織り込まれて下がるだけで、私が返済を迫られるわけではありません。ワンルームのときは、金利が上がれば私の返済額が直接増えました。この違いは大きいです。

同じ「不動産」でも、リスクの背負い方がまったく違う。だから私は、ワンルームからは撤退しつつ、J-REITは検討できるのです。


正直に書いておく、リスクと反論

自分の考えに都合のいいことだけ書いても仕方がないので、逆側も並べます。

① 金利上昇はまだ続くかもしれない

日本もアメリカも、利上げの可能性が語られている局面です。「もう十分下がった」と思ったところから、さらに下がることは普通にあります。私が今買っていたら、含み損を抱えていた可能性は十分あります。

② 利回り5%は「安全な5%」ではない

価格下落によって上がった利回りです。分配金そのものが減れば、利回りも下がります。借入コストの上昇が続けば、減配する投資法人が出てもおかしくありません。

③ そもそも私の「循環する」という読みが外れる可能性がある

構造的な変化(在宅勤務によるオフィス需要の変化など)が起きていれば、これは循環ではなく片道の変化です。過去のパターンが繰り返される保証はどこにもありません。

④ すでにポートフォリオに不動産セクターが入っている

私の高配当株のセクター分散には、もともと「不動産・建設」と「J-REIT」が入っています。追加購入は分散ではなく集中になります。ここは買う前に比率を確認する必要があります。


そして結論:今年は買えません

ここまで書いておいて何ですが、私は今年、J-REITを買えません。

NISAの非課税枠が、すでに埋まっているからです。

売却しても、非課税保有限度額が復活するのは翌年です。今から枠を空けることはできません。特定口座で買うという手はありますが、分配金に約20%課税される商品を、わざわざNISA枠のない場所で買う理由は薄いと考えています。J-REITは分配金が収益の柱なので、課税の影響がそのまま効きます。

なので、実際に動くとしても2027年の枠が開いてからです。

その間にできることは、こうです。

  • 個別の投資法人の財務と用途(オフィス・住居・物流・ホテル)を見比べておく
  • 決算資料で借入金の平均金利と返済期限の分散を確認する
  • 東証REIT指数の水準を記録し続ける(この記事がその起点です)

「買えない期間」は、調べる期間としては悪くありません。ワンルームのときの私は、営業マンにファミレスで即決させられました。あのときに足りなかったのは、まさにこの時間です。


まとめ

  • 東証REIT指数は1,745ポイント、分配金利回り5.22%(2026年9月8日時点)。長期金利2.88%への上昇が逆風になっている
  • 私が見ている理由は3つ。①上昇中の銘柄でなく人気のないセクターを買う ②セクターは循環する ③ワンルームの失敗要因がJ-REITには当てはまらない
  • ただし利回り5%は価格下落の結果であり、安全性の指標ではない。減配も金利のさらなる上昇もあり得る
  • NISA枠が埋まっているため、動くとしても2027年。それまでは調べる期間にあてる

配当が振り込まれるたびに、次の行き先を考える。この繰り返しが、資産形成の実務なのだと思っています。

なお、私が過去に暴落局面で何を買ったかはこちらの売買記録に、高配当株の含み損の実態はこちらの記事に全部公開しています。あわせてどうぞ。


よくある質問(FAQ)

Q1. J-REITの利回りが5%を超えているのは、買い時ということですか?

そうとは限りません。利回りが上がったのは分配金が増えたからではなく、価格が下がったからです。金利上昇が続けば価格はさらに下がる可能性がありますし、借入コストの上昇で減配する投資法人が出る可能性もあります。利回りの数字だけで判断しないでください。

Q2. なぜワンルームは撤退したのに、J-REITは検討するのですか?

失敗の原因が当てはまらないからです。ワンルームでの失敗要因はフルローン依存・1物件への集中・低い流動性・実質利回りの低さでした。J-REITは自分が借金を負わず、数十〜数百物件に分散され、株式と同じく即時売買でき、NISAの成長投資枠も使えます。同じ不動産でもリスクの背負い方が違います。

Q3. 「人気のないセクターを買う」というのは、逆張りということですか?

私はそう考えています。配当利回りは年間配当÷株価なので、人気が出て株価が上がるほど利回りは下がります。同じ配当を受け取るために払う金額を抑えたいので、売られているセクターを見ます。ただしこれは「下がっている理由が一時的である」という読みが前提で、その読みが外れることもあります。

Q4. セクターが循環するというのは、必ず戻るという意味ですか?

いいえ。金利局面が変われば不動産への逆風は弱まると考えていますが、構造的な需要の変化が起きていれば、それは循環ではなく片道の変化です。過去のパターンが繰り返される保証はありません。私が長期保有する覚悟を持って買う、というだけの話です。

Q5. NISA枠が埋まっている場合、特定口座で買うのはどうですか?

私は選びません。J-REITは分配金が収益の柱なので、約20%の課税がそのまま効いてきます。非課税で持てるかどうかの差が大きい商品だと考えているためです。売却しても非課税保有限度額の復活は翌年なので、私は2027年の枠が開くのを待つ予定です。

Q6. J-REITは高配当株のポートフォリオの何%まで入れるべきですか?

一般的な正解は私には示せません。ただ私の場合、すでにセクター分散の中に「不動産・建設」と「J-REIT」が入っているので、追加購入は分散ではなく集中になります。買う前に現在の比率を確認する必要があると考えています。

Q7. あおいるかさんは投資の専門家ですか?

いいえ。保有資格はFP3級で、投資助言を行う立場ではありません。この記事は私自身が何を考え、何を調べているかの記録です。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

PR