Showing Posts From
公的保障
- 13 Jun, 2026
育休中の社会保険料免除を2回体験した話【手当67%でも手取りは思ったより減らない】
「育休を取ったら、収入は67%になる」 第2子の育休を検討していたとき、私が最初に調べて出てきた数字です。3割以上減る。毎月の積立投資も、子ども2人分の生活費もあるのに、大丈夫なのか——正直、身構えました。 でも実際に育休に入ってみると、手取りベースの減り方は想像よりずっと小さかったのです。その理由が、今回のテーマである社会保険料の免除です。 私は公務員時代に第1子で9ヶ月、IT企業に転職してから第2子で12ヶ月(現在取得中)と、立場の違う2回の育休を経験しました。この記事を読むと、「育休中は何の支払いが消えるのか」「何は消えずに残るのか」、そして「67%という数字がなぜ手取り8割になるのか」がわかります。私が2回の育休で見た「給与明細の変化」 まず体験談から。 私は第2子の育休を2026年4月28日から取得しました。4月はほとんど働いていたので、4月分の給与は5月にいつもどおり振り込まれています。その給与明細を見ると——いつも引かれていた健康保険料と厚生年金保険料の欄が0円になっていました。 月のうち育休はわずか3日。それでも4月分の保険料がまるごと免除されたのです。理由は後述する「月末ルール」にあります。 一方で、同じ明細でも雇用保険料・所得税・住民税は引かれていました。これらは「働いて受け取った給与」にかかるものなので、出勤していた分には普通にかかります。整理するとこうなります。控除項目 育休中の扱い健康保険料 免除(0円)。免除の月は働いた分の給与からも引かれない厚生年金保険料 免除(0円)。同上雇用保険料 給与が出た分にはかかる。無給なら発生しない所得税 給与が出た分にはかかる。育児休業給付金は非課税住民税 免除されない(後述)健康保険料と厚生年金保険料は、合わせると額面の約15%(本人負担分)。月収30万円の人なら、毎月約4.2万円が引かれている計算です。これが育休中はまるごと消えます。年間にすれば50万円規模。小さくない金額です。 しかも免除されるのは本人負担分だけではありません。会社負担分も含めて免除されます。あなたが「育休中も会社に保険料の負担をかけているのでは」と気にする必要はありません。 公務員時代の第1子育休でも、共済組合の掛金が同じように免除されました。呼び方は違っても、構造は同じです。公務員と会社員の育休のお金の違いについては、別の記事で詳しく書く予定です。免除される条件:「月末ルール」と「14日ルール」 社会保険料の免除は、育休を取れば自動的に全期間が対象になる——わけではありません。月単位で判定されます。条件は2022年10月の法改正後、次の2つです。 条件①:月末時点で育休中(月末ルール) その月の末日に育休を取得していると、その月の保険料が免除されます。 たとえば6月30日を含んで育休を取っていれば、6月分の保険料が免除。逆に、6月1日から6月29日まで29日間育休を取っても、月末の30日に復帰していれば6月分は免除されません。 私の4月28日開始のケースがまさにこれでした。4月の育休はたった3日でも、月末の4月30日を含んでいたので、4月分の保険料がまるごと免除。日割りではなく月単位——ここがこの制度の特徴です。 条件②:同じ月の中で14日以上の育休(14日ルール) 月末を含まなくても、開始と終了が同じ月内で、14日以上育休を取れば、その月の保険料は免除されます。2022年10月に追加されたルールです。 産後パパ育休(出生時育児休業)のような短期取得でも、14日以上であれば免除が受けられるようになりました。 賞与は「1ヶ月超」のハードルがある 注意したいのが賞与(ボーナス)です。賞与にかかる社会保険料は、賞与月の末日を含む連続1ヶ月超の育休を取っている場合だけ免除されます。 「1ヶ月超」は暦日で厳密に判定されます。12月16日〜1月15日の取得はちょうど1ヶ月なので対象外。12月16日〜1月16日なら1ヶ月超で対象——1日の差で扱いが変わります。対象 免除の条件毎月の保険料 月末時点で育休中、または同月内に14日以上の育休賞与の保険料 賞与月の末日を含む連続1ヶ月超の育休私のように長期で取る場合は気にする必要はほぼありませんが、短期の育休を検討しているなら、開始日と終了日の設計で結果が変わります。 手続きは会社経由。本人がやることはほぼない 免除の申請は、会社(事業主)が年金事務所に届け出る仕組みです。私自身、免除のために自分で書類を書いた記憶がありません。育休の申請をすれば、あとは会社側で処理されます。誤解されがちな3つのポイント ここからが本題です。社会保険料免除には「知らないと損する」というより、「誤解したまま不安になる」ポイントが3つあります。 誤解①:「保険料を払わないと、将来の年金が減るのでは」 減りません。 育休中の免除期間は、保険料を納めた期間として年金記録に反映されます。それも、育休前の標準報酬月額(給与水準)のまま計算されます。未納でも猶予でもなく、「払ったことになる」のです。 健康保険も同じで、免除期間中も被保険者のまま。保険証は使えますし、傷病手当金などの給付条件も変わりません。 第1子のとき、私はここを誤解していて「育休の分だけ年金が減るなら、その分NISAを増やすべきか」と考えたことがあります。調べた結果、取り越し苦労でした。 誤解②:「税金も全部かからなくなる」 住民税は別です。 住民税は前年の所得に対して課税されます。育休に入った年は、前年=働いていた年の所得に対する住民税を払うことになります。給与天引き(特別徴収)ができなくなるので、自宅に納付書が届いて自分で払う(普通徴収)か、育休前の給与からまとめて引かれるか、いずれかの形になります。 公務員時代の第1子育休では、私も普通徴収に切り替わりました。納付書での支払いは年4回の分割が基本ですが、うっかり忘れそうだったので、私はまとめて全額払ってしまいました。残高は減りますが、「払い忘れて督促が来る」心配から解放されるので、資金に余裕があれば一括払いも選択肢です。 収入が減ったタイミングで、働いていた頃の税金の請求が届く——これが育休家計のいちばんの落とし穴です。月収30万円程度なら住民税は年間でおよそ十数万円。育休前に住民税の支払い分は現金で確保しておくことをおすすめします。 誤解③:「収入67%は、手取りも67%になる」 ここが今回いちばん伝えたいポイントです。 育児休業給付金は、休業開始時賃金の67%(181日目からは50%)。数字だけ見ると大幅減です。でも、この給付金には3つの「引かれないもの」があります。社会保険料がかからない(この記事のテーマ。働いていれば約15%引かれていた) 所得税がかからない(給付金は非課税) 翌年の住民税の算定にも入らない(非課税所得のため)働いているときの手取りは、額面の75〜80%程度。一方、育休中は「額面の67%」がほぼそのまま手元に残ります。比べる土俵を手取りに揃えると、67%給付の期間で手取りの約8割になる計算です。 「収入が3分の2になる」と「手取りが2割減る」では、受ける印象がだいぶ違います。私が育休前に身構えていたほど家計が苦しくならなかったのは、この構造のおかげでした。2025年・2026年の制度改正でさらに手厚くなった 私の第2子育休(2026年4月〜)は、ちょうど新制度の恩恵を受けるタイミングでした。2つ紹介します。 出生後休業支援給付金(2025年4月〜):最初の28日は「手取り10割」 2025年4月に新設された給付金です。両親がともに14日以上の育休を取るなどの要件を満たすと、**最大28日間、給付率が13%上乗せされて80%**になります。 80%の給付に、社会保険料免除と非課税を合わせると、手取りベースではほぼ10割。出生直後のいちばん大変な時期は、収入面の心配がほぼない状態で休めるようになりました。 子ども・子育て支援金(2026年4月〜):徴収が始まったが、育休中は対象外 2026年4月から、医療保険料に上乗せする形で「子ども・子育て支援金」の徴収が始まりました。会社員の本人負担は当面、標準報酬月額の0.115%(月収30万円で月345円程度)です。 この支援金は健康保険料とセットで徴収されるため、育休中で保険料が免除されていれば、支援金も徴収されません。免除の判定に連動する仕組みです。まとめ表:育休中のお金、何が消えて何が残るか項目 育休中の扱い 補足健康保険料 ✅ 免除 会社負担分も免除。保険証は使える厚生年金保険料 ✅ 免除 年金記録は納付済み扱い・将来の年金は減らない子ども・子育て支援金 ✅ 徴収されない 保険料免除に連動(2026年4月〜)所得税 ✅ かからない 育児休業給付金は非課税雇用保険料 ✅ かからない 給与支給がなければ発生しない住民税 ❌ 残る 前年所得に課税。納付書で自分で払う育児休業給付金 67%→50% 最初の28日は要件を満たせば80%(2025年4月〜)育休前にやっておきたい2つの準備 ①住民税の支払い原資を現金で取り分けておく 繰り返しになりますが、住民税だけは逃げられません。育休前の月収の約半月〜1ヶ月分を目安に、生活防衛資金とは別枠で確保しておくと、納付書が届いても慌てません。 ②短期育休なら、開始日・終了日を「月末」と「14日」で設計する 長期で取るなら何も考えなくて大丈夫です。2週間〜1ヶ月程度の短期取得を考えているなら、「月末を含むか」「同月内で14日以上か」「賞与月なら1ヶ月超か」の3点で、免除されるかどうかが変わります。取得計画の段階で、人事担当に確認しておく価値があります。 ちなみに、会社員の育児休業給付金の額は、育休取得前の直近6ヶ月の給与の平均をもとに決まります。つまり育休前の働き方が、育休中の収入を決めるのです。私がこの仕組みを意識してやっていたことについては、結果が出てから別の記事で書きます。まとめ:67%という数字に怯えなくていい 育休を取るか迷っている段階のあなたに、2回の育休を経験した立場から伝えたいことは1つです。 「67%」は額面の話。手取りで見れば約8割、最初の28日は10割相当。 社会保険料の免除は申請も難しくなく、年金も減らない。怖いのは住民税の請求だけで、それも事前に取り分けておけば対処できます。お金を理由に育休をあきらめる前に、手取りベースで家計をシミュレーションしてみてください。 我が家の育休中の家計まわりでは、出産費用と高額療養費制度についても記事にしています。 → 高額療養費制度を出産で2回体験した話【吸引分娩は約12万円・正常分娩は約27万円】 → 児童手当を全額S&P500に投資している話よくある質問(FAQ) Q1. 育休中の社会保険料免除は、自分で申請が必要ですか? 原則として本人の手続きは不要です。会社(事業主)が年金事務所・健康保険組合に「育児休業等取得者申出書」を提出することで免除されます。育休の申請をすれば会社側で処理されるのが一般的ですが、心配なら人事担当に「免除の届出をお願いします」と一言確認しておくと確実です。 Q2. 免除された期間の分、将来もらえる年金は減りますか? 減りません。育休中の免除期間は「保険料を納めた期間」として扱われ、年金額の計算では育休前の標準報酬月額がそのまま使われます。国民年金の免除制度(将来の年金額が一部減る)とは仕組みが違う点に注意してください。 Q3. 育休中も健康保険証は使えますか? 使えます。保険料が免除されている間も被保険者資格は継続するため、本人も扶養家族も今までどおり医療機関を受診できます。高額療養費や出産育児一時金などの給付も受けられます。 Q4. 育休中に住民税の納付書が届きました。払わないとだめですか? 支払いが必要です。住民税は前年の所得に課税されるため、育休中も働いていた年の分の請求は続きます。給与天引きができない期間は、納付書で自分で払う「普通徴収」に切り替わるのが一般的です。一括が厳しい場合は分割納付の相談もできます。なお、育児休業給付金は非課税なので、育休で所得が減った分は翌年度の住民税が大きく下がります。また、会社によっては復帰後に特別徴収(給与天引き)へ戻すための連絡が必要な場合があるので、復帰時に人事担当へ確認してください。 Q5. 数日だけの短い育休でも保険料は免除されますか? 月末を1日でも含んでいれば、その月の保険料は免除されます。月末を含まない場合は、同じ月の中で14日以上取得していることが条件です。たとえば月の前半に10日間だけ取る形だと、どちらの条件も満たさず免除されません。短期取得なら日程設計が重要です。 Q6. ボーナス(賞与)の社会保険料も免除されますか? 賞与月の末日を含む「連続1ヶ月超」の育休を取得している場合のみ免除されます。1ヶ月ちょうどでは対象外で、暦日で1日でも超えている必要があります。長期育休なら自然に満たしますが、賞与月前後の短期取得では免除されないケースが多い点に注意してください。
- 12 Jun, 2026
高額療養費制度を出産で2回体験した話【吸引分娩は約12万円・正常分娩は約27万円】
「出産費用って、結局いくら手元に用意しておけばいいの?」 第1子のとき、私も妻と同じ疑問を抱えていました。出産育児一時金が出るのは知っている。でも、それで足りるのか・足りないのか、退院の日まで正直よくわからなかったのです。 そして2人の子どもを授かった今、我が家には興味深いデータが残りました。第1子(吸引分娩)の窓口負担は約12万円、第2子(正常分娩)は約27万円。同じ「出産」なのに、自己負担は倍以上違ったのです。 この差を生んだのが、今回のテーマである高額療養費制度です。この記事を読むと、「どんな出産なら高額療養費の対象になるのか」「対象外の費用は何か」、そして2026年8月から始まる上限引き上げの中身がわかります。我が家の出産2回分のデータ——約12万円と約27万円の差 まず結論の対比表から。我が家(妻が出産・第1子は東京都内の病院、第2子は別の病院)の実数です。項目 第1子(2023年4月) 第2子(2026年4月)分娩の種類 吸引分娩(異常分娩) 正常分娩健康保険の適用 あり(保険診療) なし(自由診療)高額療養費制度 対象 対象外出産育児一時金 50万円(直接支払制度) 50万円(直接支払制度)窓口での自己負担 約12万円 約27万円(個室代4日分を含む)数字だけ見ると「吸引分娩の方が大変だったのに安い」という逆転現象が起きています。鍵は、吸引分娩が健康保険の適用される「異常分娩」扱いになること。保険診療になれば3割負担になり、さらに高額療養費制度で月の自己負担に上限がかかります。 一方、正常分娩は病気ではないため自由診療。健康保険も高額療養費も使えません。しかも第2子のときは4日分の個室代(差額ベッド代)も乗りました——これも後述しますが、高額療養費の対象外です。 「同じ出産でこんなに違うのか」というのが、2回体験した私の率直な感想です。第1子・吸引分娩:高額療養費の対象になった出産 分娩当日に「保険適用」へ切り替わった 第1子はお産が長引き、最終的に吸引分娩になりました。吸引分娩・鉗子分娩・帝王切開・陣痛促進剤の使用などは「異常分娩」として健康保険が適用されます。母子ともに無事だった安堵が先で、費用のことを考えたのは退院間際でしたが、請求書を見ると分娩関連の項目が保険診療として計算されていました。 医療費の3割負担でも出産はそれなりの金額になります。そこで効いたのが高額療養費制度です。我が家はマイナ保険証で受付していたため、限度額適用認定証を事前申請しなくても、窓口で自動的に限度額までの支払いで済みました。 結果、出産育児一時金50万円の直接支払制度を使った上での窓口差額は約12万円。 ちなみに第1子が生まれた2023年4月は、出産育児一時金が42万円から50万円に増額された、まさにその初月でした。1ヶ月早く生まれていたら8万円違ったわけで、制度改正のタイミングを身をもって体感した出産でもありました。 医療保険から約12万円の給付——それでも解約した 当時妻が加入していた民間医療保険から、吸引分娩を理由に給付金が約12万円出ました。自己負担とほぼ相殺です。 「ほら、医療保険入っててよかったじゃない」と思いますよね。私も一瞬そう思いました。 でも、我が家はその後この医療保険を解約しています。理由はシンプルで、高額療養費制度+健保組合の付加給付+貯蓄があれば、医療保険なしでも家計は揺らがないと整理できたからです。給付金をもらった経験があってもなお、払い続ける保険料と受け取る給付金の期待値で考えれば不要——これが我が家の結論でした。たまたま当たった宝くじを「だから買い続けるべき」とは言えないのと同じ理屈です。 解約に至る判断の詳細はがん保険・医療保険を全部解約した話に書いています。第2子・正常分娩:高額療養費が使えなかった出産 第2子(2026年4月生)は、幸いなことに正常分娩でした。母子ともに何のトラブルもない、ありがたいお産。ただし家計的には、正常分娩=自由診療=健康保険適用外=高額療養費の対象外という三段論法がそのまま効いてきます。 窓口で支払った額は約27万円。内訳として大きかったのが、4日分の個室代(差額ベッド代)です。産後の回復と上の子の面会を考えて個室を選んだので納得済みの出費ですが、ここで学びポイントがひとつ。 差額ベッド代は、仮に保険診療の入院であっても高額療養費の対象外です。「高額療養費があるから個室でも大丈夫」とはならない。希望して個室を選ぶなら、その分は純粋な自己負担として予算に組み込む必要があります。 なお、令和6年度の正常分娩の全国平均費用は約52万円。出産育児一時金の50万円では平均的にやや足が出る水準です。正常分娩を保険適用にする「出産費用の無償化」は2026年度をめどに制度設計が検討されていますが、この記事の執筆時点(2026年6月)では未実施です。高額療養費制度の基本——月の自己負担に上限がかかる仕組み ここから制度の中身を整理します。高額療養費制度は、同じ月の医療費の自己負担が所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される公的医療保険の仕組みです。 1. 69歳以下は所得5区分・年収約370〜770万円なら月約8.7万円 69歳以下の上限額は所得で5区分に分かれます。多くの会社員が該当する年収約370〜770万円の区分なら、計算式は次のとおり。80,100円+(医療費−267,000円)×1%医療費が月100万円かかっても、自己負担は約8.7万円で収まる計算です。出産に限らず、大きな病気やケガでも医療費が青天井にならない——日本の公的医療保険の中核と言える制度です。 2. マイナ保険証なら事前申請が不要 以前は「限度額適用認定証」を健保に事前申請して窓口に出す必要がありましたが、マイナ保険証で受診すれば、窓口での支払いが自動的に限度額までになります。第1子のとき我が家が体験したのがまさにこれで、出産という余裕のないタイミングで申請手続きが要らないのは助かりました。 3. 世帯合算と多数回該当 同じ月に世帯内(同じ医療保険の加入者)で複数の自己負担があれば合算して上限を超えた分が払い戻されます。また、直近12ヶ月で3回以上上限に達すると、4回目以降は上限がさらに下がる多数回該当(年収約370〜770万円帯なら44,400円)もあります。長期治療になっても負担が逓減する設計です。 4. 健保組合の「付加給付」でさらに下がる 会社の健康保険組合によっては、高額療養費に上乗せして自己負担を月2〜2.5万円程度に抑える付加給付があります。妻の会社の健保組合にもこれがあり、我が家の場合は一定額を超えた分が翌月に還付される方式でした。 付加給付の有無は健保組合によって異なります。我が家の保険設計でこの付加給付がどう効いているかは、我が家の保険ポートフォリオ全公開で詳しく書きました。あなたの健保組合に付加給付があるかどうか——これは医療保険の要否判断を左右する重要情報なので、確認する価値があります。 5. 高額療養費の「対象外」を知っておく 意外と知られていないのが、対象外の費用です。差額ベッド代(個室・少人数部屋の追加料金) 入院中の食事代(標準負担額) 先進医療の技術料 自由診療(正常分娩はここに含まれます)第2子の約27万円は、まさに「自由診療+差額ベッド代」という対象外の組み合わせでした。高額療養費は万能の上限ではなく、保険診療の自己負担にだけ効く上限——ここを押さえておくと、入院・出産の資金計画の精度が上がります。2026年8月から上限額が引き上げ——改正の3つのポイント 家計目線で見逃せないのが、直近の制度改正です。高額療養費の上限引き上げは2025年に一度凍結されましたが、厚生労働省の資料のとおり、2026年8月と2027年8月の2段階で実施されることが決まりました(日本経済新聞の報道)。 ポイントは3つです。自己負担上限額の引き上げ——2026年8月を第1段階、2027年8月を第2段階として段階的に上限が上がります 年間上限の新設——月単位だけでなく年間の負担を見る仕組みが導入されます 家計への影響——「医療費の上限は月約8.7万円」という従来の目安が、所得区分によっては変わっていきます我が家のように「高額療養費+付加給付+貯蓄で医療保険の代わりにする」方針の家庭にとって、上限引き上げは前提条件の変化です。とはいえ、付加給付のある健保組合なら実質負担への影響は限定的なケースも多い。改正後の上限額と、自分の健保の付加給付をセットで確認する——これが2026年時点の正しい備え方だと考えています。 改正の詳細は今後も省令等で具体化されるため、最新情報は厚労省およびご自身の健保組合で確認してください。まとめ表:出産費用と公的制度の関係 2回の出産で学んだことを、制度の地図として整理します。制度・費用 正常分娩 異常分娩(吸引・鉗子・帝王切開等)健康保険(3割負担) 適用外(自由診療) 適用高額療養費制度 対象外 対象出産育児一時金(50万円) 対象 対象付加給付(健保組合による) 対象外 対象になり得る民間医療保険の給付 対象外が一般的 給付対象の商品が多い差額ベッド代・食事代 自己負担 自己負担(高額療養費の対象外)出産育児一時金はどちらの分娩でも出ます。差が付くのは健康保険と高額療養費——つまり**「異常分娩になるかどうか」は事前にコントロールできないからこそ、両方のパターンで資金計画を立てておく**のが現実的です。出産前に確認しておきたい3つの注意点 注意点1:自己負担の「上振れ幅」を見込んでおく 我が家の実例で言えば、12万円〜27万円のレンジ。個室を選ぶか、地域や病院の費用水準、分娩の経過で大きく変わります。一時金50万円とは別に、20〜30万円程度は手元資金を用意しておくと精神的に楽です。 注意点2:マイナ保険証を入院前に確認する 限度額の自動適用はマイナ保険証の利用登録が前提です。出産入院はいつ始まるかわからない——だからこそ、産前の余裕があるうちに利用登録と病院側の対応状況を確認しておくことをおすすめします。 注意点3:制度は変わる。最新情報は一次情報で この記事の数字は2026年6月執筆時点のものです。高額療養費は2026年8月・2027年8月に改正が控え、出産費用の保険適用も検討中。最新の制度内容は厚生労働省とご加入の健保組合で必ず確認してください。まとめ:医療保険より先に、自分の健保の付加給付を調べる 最後に、この記事で伝えたかったことを3点に絞ります。同じ出産でも、吸引分娩など異常分娩なら高額療養費の対象、正常分娩なら対象外。我が家の自己負担は約12万円と約27万円に分かれた 高額療養費には対象外がある。差額ベッド代・食事代・自由診療は別枠で予算化する 2026年8月から上限引き上げの改正が始まる。自分の所得区分の新しい上限額と、健保組合の付加給付をセットで把握する医療保険から約12万円の給付を受けた我が家が、それでも医療保険を解約した理由——それは、公的制度を調べ尽くした結果、「保険料を払い続けるより貯蓄で備える方が合理的」と確信できたからです。浮いた保険料の行き先については貯蓄型保険3社を解約してNISAに全額移した話で、それでも残すべき保険については掛け捨て生命保険の選び方で書いています。 まずは今日、あなたの健保組合のサイトで「付加給付」「一部負担金払戻金」を検索してみてください。医療費の備えの設計図は、そこから始まります。関連記事がん保険・医療保険を全部解約した話 我が家の保険ポートフォリオ全公開 貯蓄型保険3社を解約してNISAに全額移した話 掛け捨て生命保険の選び方よくある質問(FAQ) Q1. 正常分娩だと健康保険はまったく使えないのですか? 分娩自体は自由診療ですが、妊娠中の合併症の治療や、分娩中に医療行為(吸引分娩・帝王切開等)が発生した場合はその部分が保険診療になります。1回の入院の中で「保険診療部分」と「自由診療部分」が混在することもあります。明細書で内訳を確認してみてください。 Q2. 吸引分娩になるかは事前にわかりませんが、どう備えればいいですか? 事前にはわかりません。だからこそ「正常分娩で一時金を超える分(20〜30万円程度)+個室を選ぶならその分」を手元資金で備えるのが現実的です。異常分娩になった場合は高額療養費が効くため、自己負担はむしろ抑えられるケースが多いです。 Q3. 帝王切開の予定ですが、医療保険に入っておくべきですか? 帝王切開は保険診療なので、高額療養費制度と(あれば)健保組合の付加給付が使えます。妊娠後に医療保険へ加入しようとしても、帝王切開等が不担保(対象外)になる条件付き契約になるのが一般的です。我が家は給付金を受け取った経験を経てなお「公的制度+貯蓄で足りる」と判断して解約しました。 Q4. 限度額適用認定証はもう不要なのですか? マイナ保険証で受診すれば、原則として認定証なしで窓口負担が限度額までになります。ただしマイナ保険証に対応していない医療機関や、利用登録をしていない場合は従来どおり認定証の事前申請が必要です。出産予定の病院の対応状況を産前に確認しておくと確実です。 Q5. 付加給付があるかどうかは、どこで調べられますか? 加入している健康保険組合の公式サイトか、組合員向けハンドブックで「付加給付」「一部負担金払戻金」という項目を探してください。協会けんぽには付加給付はありません。給付方法(自動還付か申請制か)と基準額(月2〜2.5万円程度が多い)も合わせて確認しましょう。 Q6. 2026年8月の改正で、出産費用の負担も増えますか? 正常分娩はもともと高額療養費の対象外なので、改正の直接の影響はありません。影響があるのは異常分娩などの保険診療部分で、所得区分によっては自己負担上限が上がります。一方で正常分娩の保険適用(出産無償化)が2026年度をめどに検討されており、出産費用をめぐる制度は変化の途中です。 Q7. 出産育児一時金の「直接支払制度」とは何ですか? 健康保険から病院へ一時金(50万円)が直接支払われ、退院時はその差額だけを窓口で精算する仕組みです。我が家は2回ともこれを利用し、第1子は約12万円・第2子は約27万円の差額支払いでした。まとまった出産費用を一時的に立て替える必要がないので、対応している病院なら利用をおすすめします。 Q8. 高額療養費の払い戻しは自動ですか? マイナ保険証や限度額適用認定証を使えば窓口支払いの時点で限度額までになるため、原則手続き不要です。それらを使わず限度額を超えて支払った場合は、加入する健康保険への申請が必要なケースがあります(健保組合によっては自動払い戻し)。時効は診療月の翌月1日から2年です。※本記事は運営者個人の体験・調査に基づくものです。最新の制度内容は厚生労働省・ご加入の健康保険組合等でご確認ください。詳細は免責事項をご確認ください。
- 02 Jun, 2026
我が家の保険ポートフォリオ全公開【月4,420円・民間保険は2種類だけ】
「保険は何に入っていますか?」と聞かれたら、答えはシンプルです。 民間保険は2種類、月の保険料の合計は4,420円——これが、子ども2人を持つ共働き世帯の我が家が行き着いた結論です。 この記事では、我が家の保険ポートフォリオを全公開します。何に入っていて、何に入っていないか。そしてその理由を、これまでの保険見直しの記録とともに整理します。結論:我が家の保険ポートフォリオ種類 商品 月額死亡保障(定期保険) チューリッヒ生命 定期保険プレミアム 3,800円(夫婦合計)賃貸火災保険 mysurance スマート賃貸火災保険 ベーシックプラン 620円合計4,420円がん保険・医療保険・貯蓄型保険・就業不能保険・個人年金——これらは一切入っていません。 「少なすぎでは?」と感じた方のために、なぜこれだけで足りるのかを順番に説明します。前提:公的保障の土台を確認する 民間保険を最小化できる理由は、公的保障がかなりの範囲をカバーしているからです。まずここを把握することが、保険見直しのすべての出発点です。 医療費:健康保険組合の付加給付 我が家は会社の健康保険組合に加入しており、付加給付(自己負担の上限額を一定額に抑える制度)があります。 公的な高額療養費制度では、月の医療費の自己負担が所得区分に応じた上限額(限度額)を超えた分は払い戻されます。実際にこの制度を出産で2回使った体験談はこちらの記事にまとめています。 所得区分別の自己負担限度額(70歳未満・月額)の計算式:所得区分 標準報酬月額の目安 限度額(月)の計算式ア(高所得) 83万円以上 252,600円+(医療費−842,000円)×1%イ 53〜79万円 167,400円+(医療費−558,000円)×1%ウ(一般) 28〜50万円 80,100円+(医療費−267,000円)×1%エ 26万円以下 57,600円(定額)⚠️ 重要:自己負担限度額に「上限額」はありません。医療費が高額になるほど、限度額も増えていきます。 例えば医療費が月100万円かかった場合、自己負担限度額は次のとおりです:区分 自己負担額(月100万円の場合) 月500万円の場合ア 約25.4万円 約29.4万円イ 約21.1万円 約25.1万円ウ 約8.7万円 約12.7万円ただし多数該当(直近12ヶ月で3回以上限度額に達した場合)に該当すると、4回目以降は限度額が下がります(区分ウなら44,400円)。長期闘病時の負担はこれでさらに緩和されます。 健保組合の付加給付が加わると(我が家の場合は一定額を超えた医療費を翌月還付)、実質的な自己負担はさらに低くなります。 「高額な医療費が発生したとき」の民間医療保険の役割は、付加給付のある健保組合では大幅に薄れます。ただし高所得の方ほど自己負担も大きくなるため、ご自身の所得区分で確認することをお勧めします。 休業時:傷病手当金 病気やケガで働けなくなったとき、健康保険から傷病手当金が支給されます。支給額:支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額平均の2/3相当(日額)× 支給日数 支給期間:支給開始日から通算1年6ヶ月(2022年1月改正。途中復職しても期間は合算) 待期期間:連続3日の休業後、4日目から支給会社員の場合、会社の休業補償(有給など)と組み合わせれば、短中期の休業リスクはかなりカバーできます。 死亡時:遺族厚生年金+遺族基礎年金 厚生年金加入者(会社員)が亡くなった場合、遺族に遺族厚生年金+遺族基礎年金が支給されます。 詳しい計算方法は掛け捨て生命保険の記事で整理しましたが、子どもが小さい期間は遺族基礎年金も上乗せされます。ただし世帯収入の全額を代替できるわけではなく、民間の定期保険で不足分を補うのが合理的です。 なお、遺族厚生年金には夫婦で非対称な制度設計があります。妻が亡くなった場合の夫への遺族厚生年金は、現行制度では夫が55歳未満だと原則として支給されません(2025年成立の年金制度改正法により、2028年4月から段階的に男女差解消の方向で見直しが始まりますが、完全実施までは20年超かかる見込みです。現役世代の備えとしては現行制度を前提に考えるのが現実的)。共働き世帯で夫婦両方に死亡保障をかけている理由の一つがここにあります。民間保険①:チューリッヒ生命 定期保険プレミアム 加入内容項目 内容商品名 チューリッヒ生命 定期保険プレミアム保険金額 夫:2,000万円 / 妻:2,000万円月額保険料 夫婦合計 3,800円保険期間 10年定期なぜ定期保険だけにしたか 掛け捨て生命保険の記事で詳しく書きましたが、選んだ基準はシンプルです。「保障」と「運用」は分ける——貯蓄型・変額保険は内部コストが高く、どちらも中途半端になる 純粋な死亡保障だけをネット系定期保険で安く買う 浮いた保険料差額はNISAで運用するチューリッヒは申込・告知はネット完結。ライフネット生命・SBI生命・メットライフ生命等と複数社で同条件の保険料を比較した結果、チューリッヒが最安水準かつ財務格付けも安定しており選びました。詳しい比較は掛け捨て生命保険の選び方を参照してください。 今後の課題:10年後の更新 末子が現在0歳のため、死亡保障が本当に必要な期間は末子が独立するまでの約18年間です。現在の10年定期では期間が不足するため、10年後に更新または乗り換えが必要です。 更新時に健康状態が変化していると保険料が上がるリスクもあるため、20年定期への切り替えを検討中です。この点は今後の課題として引き続き整理していきます。民間保険②:mysurance スマート賃貸火災保険 ベーシックプラン項目 内容商品名 mysurance スマート賃貸火災保険 ベーシックプラン月額保険料 620円補償内容 家財・借家人賠償責任・個人賠償責任 等賃貸の火災保険は、不動産会社が最初に勧める商品は割高なケースが多いです。我が家も入居当初は不動産会社指定の保険に加入していましたが、更新のタイミングで自分で比較・切り替えました。 家財の保険金額を現実的な額に絞り、個人賠償責任までカバーして月620円。切り替えの経緯と選び方は別記事に詳しく書いています。 → 賃貸の火災保険は自分で選べる【不動産会社指定から月620円に切り替えた話】入っていない保険とその理由 がん保険・医療保険 → がん保険・医療保険を全部解約した話 高額療養費制度+健保組合の付加給付で、民間の医療保険が必要な場面がほぼなくなりました。また、私と妻の双方の家族歴からがんのリスクは意識しているものの、貯蓄で備える方が合理的という結論です。 貯蓄型・運用型の保険(終身・養老・学資・個人年金・ユニットリンク等) → 貯蓄型保険3社を解約してNISAに全額移した話 → 無料FP相談会でユニットリンクを勧められた話 「保障+貯蓄/運用」を1つの商品にまとめたタイプ(終身・養老・学資・個人年金・変額保険/ユニットリンク等)はすべて見送っています。保険関係費・解約控除・特別勘定の運用関係費など内部コストが高い 保障も運用もどちらも中途半端になりやすい 同じ目的なら「掛け捨て定期保険+NISA」の組み合わせの方が圧倒的にコスト効率が高い「保障と運用は分ける」が我が家の一貫したスタンスです。 就業不能保険 傷病手当金(通算1年6ヶ月)と会社の有給休暇でカバーできると判断しています。1年6ヶ月を超える長期療養になった場合は貯蓄で対応する方針ですが、これは数百万円以上の流動資産があることが前提です。貯蓄が薄い段階では就業不能保険を検討する価値はあります。 なお、就業不能時の生活防衛資金(生活費6ヶ月〜1年分+療養想定額)は、現預金または流動性の高いNISA枠で確保しておく必要があります。iDeCoを活用している方は原則60歳まで引き出せないため、iDeCoだけで老後資金を組まず、就業不能リスクへの流動性は別枠で確保してください。月の保険料まとめ保険 月額チューリッヒ定期保険(夫婦合計) 3,800円mysurance 賃貸火災保険 620円合計 4,420円「収入の5〜10%を保険料に」という目安を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これは保険業界で普及した数字であり、必要保障額の積み上げ計算とは無関係です。我が家は必要な保障を積み上げた結果、それを大きく下回る水準に収まっています。浮いた差額は全額、NISAに回しています。我が家の保険見直しの歴史 今のポートフォリオは一度に完成したわけではなく、段階的な見直しの積み重ねです。時期 出来事 詳細第1子誕生後 貯蓄型保険3社を全解約・NISAへ E-01 記事同時期 がん保険・医療保険を全解約 E-02 記事見直し後 チューリッヒ定期保険に加入 E-03 記事同時期 無料FP相談でユニットリンクを断る E-04 記事現在 定期保険+火災保険のみ維持 本記事保険を見直す際の考え方 我が家の経験から、保険見直しの手順をまとめると次のとおりです。 ① 公的保障を正確に把握する まず健保組合・遺族年金・傷病手当金で何がカバーされるかを確認します。ここを飛ばすと、必要のない保険を掛け続けることになります。 ② 「万が一」のリスクを分類するリスク 対応方法死亡 遺族年金+掛け捨て定期保険で不足分を補う入院・手術 高額療養費+付加給付+貯蓄で対応長期休業 傷病手当金+有給+貯蓄で対応老後 NISAで対応(一般的な会社員はNISA1,800万円の枠を使い切るのが先。iDeCoはその先で検討)賃貸の損害賠償 賃貸火災保険(ベーシックプラン)で対応③ 保障と運用を分ける 「死亡保障が必要なら掛け捨て定期保険」「老後資金が必要ならまずNISA」——目的に応じたシンプルな商品を組み合わせるのが最もコスト効率が高いです。関連記事貯蓄型保険3社を解約してNISAに全額移した話 がん保険・医療保険を全部解約した話 掛け捨て生命保険の選び方 昼食・託児所付きFP無料相談会でユニットリンクを勧められた話 高額療養費制度を出産で2回体験した話【吸引分娩は約12万円・正常分娩は約27万円】おすすめ書籍 📚 山崎元『新NISA対応 超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』 → Amazon商品ページ 「保障と運用を分ける」「貯蓄型保険は不要」の考え方の土台になった1冊です。保険見直しの前に読んでおくと、FPや保険会社のセールストークに流されにくくなります。 📚 両学長『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』 → Amazon商品ページ 「守る力」の章で保険の考え方が体系的に整理されています。我が家の保険ポートフォリオの考え方に近く、入門書として最適です。まとめ項目 内容民間保険の種類 2種類(定期保険・賃貸火災保険)月の保険料合計 4,420円入っていない保険 がん・医療・貯蓄型・就業不能・個人年金公的保障の土台 健保組合付加給付・傷病手当金・遺族年金老後資金の手段 NISA(iDeCoは現状未活用)「保険は多いほど安心」ではありません。公的保障で何がカバーされるかを把握した上で、本当に必要な保障だけを民間保険で補う——この考え方に行き着いてから、我が家の保険料は大きく下がり、その分の資金がNISAに回るようになりました。 保険の見直しに迷っている方の参考になれば幸いです。※本記事は運営者個人の体験・調査に基づくものです。具体的な保険選定の判断はご自身でも複数の情報源を確認してください。詳細は免責事項をご確認ください。
- 31 May, 2026
掛け捨て生命保険の選び方【夫婦月3,800円で2,000万円ずつの保障・FP視点の必要保障額計算】
貯蓄型保険3社を解約し、がん保険・医療保険も全部やめた我が家——でも、生命保険だけは残しました。 しかも、夫婦合わせて月3,800円。それぞれ2,000万円の死亡保障がついています。 「保険料3,800円で2,000万円も保障されるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。それが掛け捨ての定期生命保険の力です。 この記事では、なぜ掛け捨て生命保険だけは残したのか・必要保障額をどう計算したのか・どうやって選んだのかを、FPの計算ロジックを交えて全部書きます。我が家の現在の生命保険 まず先に結論から書きます。項目 内容保険会社 チューリッヒ生命タイプ 定期保険(掛け捨て)保険期間 10年定期死亡保険金額 私 2,000万円/ 妻2,000万円月額保険料 夫婦合計 3,800円(年45,600円)加入時期 33歳頃・第1子誕生後10年で54万円程度の支払いに対して、保障総額は夫婦合算4,000万円。これが掛け捨て定期保険のコストパフォーマンスです。 なお、第2子が今年誕生したので保障額の見直しを予定中です。後述します。貯蓄型を全部やめた我が家が、掛け捨て生命保険だけ残した理由 我が家は貯蓄型保険を全部解約し、がん保険・医療保険も解約しました。それでも死亡保障の掛け捨て生命保険だけは残している——理由は明確です。 「自分が死ぬ」という事象だけは、貯蓄でカバーしきれない 医療費(高額療養費制度)・働けない期間の収入(傷病手当金)・老後の生活費(公的年金)——これらは公的制度+貯蓄でほぼ対応できます。 しかし、「働き盛りの自分が突然死亡する」という事象だけは、貯蓄では追いつかないケースがあります。子どもが幼く、これから20年以上の養育費・教育費が必要 住宅ローンが残っていて団信に入っていない(または賃貸) 配偶者の所得だけでは家計が回らないこのとき、「自分が死んだ瞬間に数千万円が遺族に渡る」仕組みが必要になります。これは、貯蓄ではゼロからは作れない金額です。 公的遺族年金だけでは足りない場合の「補完」として残す 実は日本の公的制度には遺族年金があり、これがかなり手厚いです。それでも子どもがいる現役世代では遺族年金だけでは生活費を完全にカバーできないことが多いため、掛け捨ての民間保険で「不足分だけ」を補完する——これが我が家の発想です。「掛け捨て」が嫌われる本当の理由 保険ショップや営業員に行くと、「掛け捨ては勿体ない、貯蓄性のある保険にしましょう」と勧められることが多いです。 この主張、表面的には筋が通って見えますが、経済合理性で見ると完全に間違いです。 誤解①「掛け捨ては払った保険料が無駄になる」 これは典型的な誤解です。火災保険:火事にならなければ保険料は「無駄」? → 違います 自動車保険:事故を起こさなければ保険料は「無駄」? → 違います保険は「リスクが発生したときに大きな経済的損失を回避するための仕組み」であり、リスクが発生しなかった場合に保険料が戻らないのは当然です。生命保険も同じ。 誤解②「貯蓄型なら掛け捨て分と貯蓄が両立できる」 これも罠です。貯蓄型は「掛け捨て+貯蓄」を一つの商品にまとめているだけ。そして商品設計上、保険関係費・販売手数料が二重にかかります。 貯蓄型保険3社を解約した記事で詳しく書きましたが、「保障」と「投資」を分けたほうが、コスト・運用効率ともに圧倒的に優れています。アプローチ 仕組み コスト貯蓄型保険 保障+運用を一つの商品で 二重コストで非効率掛け捨て+NISA 保障は掛け捨て、運用はNISA 各々の最適解で効率的必要保障額の計算方法(標準的なFP教科書ベース) 掛け捨て生命保険でいくらの保険金額にすべきか——ここが最も重要なポイントです。 「とりあえず2,000万円」「営業に勧められて3,000万円」と感覚で決めるのではなく、ライフプランから必要保障額を計算するのが正しいアプローチです。※以下の計算は標準的なFP教科書の手順に基づく簡易試算です。私自身はFP3級保有ですが、正確な保障設計は1級FP・社会保険労務士への相談を推奨します。基本式 必要保障額の計算式は次のとおりです。必要保障額 = 遺族の支出総額 −(遺族年金+配偶者の手取り所得+現在の流動資産)順番に分解します。 ① 遺族の支出総額を見積もる 「遺族の支出総額」は、世帯生活費から被保険者本人の生活費(一般に25%)を除いた額を、配偶者の平均余命まで続くものとして計算するのが標準です。30代女性なら平均余命は約55年(厚生労働省 簡易生命表) 子どもの教育費は別途加算 住宅費は持ち家or賃貸で大きく異なる② 遺族年金を「段階別」に差し引く ここがFP視点の核心です。遺族年金は遺族の状況に応じて段階的に変化するため、フラットに「月◯万円」で20年などと計算すると大きく外します。 2024年度の遺族年金額年金種類 月額(モデル)遺族基礎年金(子1人加算込み) 約87,600円(年1,050,800円)遺族基礎年金(子2人加算込み) 約107,100円(年1,285,600円)遺族厚生年金 標準報酬月額×3/4 × 加入月数による(モデル月5〜10万円)**中高齢寡婦加算(妻40〜65歳) 月約51,000円**(年612,000円)参考:日本年金機構 遺族年金ガイド 遺族年金が段階的に変化する例(第2子0歳・私死亡前提)期間 状態 月額目安0〜13年目 子2人加算+遺族厚生 月約16〜20万円14〜18年目 第1子18歳超で加算1人減+遺族厚生 月約14〜18万円18年目〜妻65歳 遺族基礎失権・中高齢寡婦加算開始+遺族厚生 月約13〜15万円妻65歳以降 自分の老齢年金+遺族厚生(併給調整) ケースによる合計すると、配偶者が65歳になるまでの遺族年金累計は3,500〜3,800万円程度になります。「月17万円×20年=4,080万円」のような単純計算は実態と乖離します。 ③ 配偶者の「手取り所得」を差し引く ここで重要な注意点があります。 配偶者の生涯所得を丸ごと控除するのは誤りです。配偶者の所得は配偶者本人の生活費を賄うためにも使うものであり、丸ごと夫の死亡保障の代替として計算すると、配偶者の食費・住居費・老後資金まで遺族保障の代替で消費する前提になってしまいます。 正しくは:「遺族の支出総額」の段階で、配偶者本人の生活費を差し引いてから設定する もしくは、配偶者所得は「生活費を賄う原資」として位置づけ、子の教育費等の超過支出を埋める原資として一部のみ控除する④ 流動資産を差し引く 預貯金・NISA・iDeCo・株式等の遺族がすぐ現金化できる資産を差し引きます。ただし、老後資金として使う想定の部分は控除しないのが原則です。 我が家のケースで再計算 上記の手順に従って、我が家のケースを再計算します。項目 金額遺族の支出総額(配偶者+子2人、妻85歳まで) 約1.3億円子の教育費追加(公立中心〜国公立大自宅) 約1,600万円想定総額 約1.46億円▲ 配偶者の手取り所得(年収400万・残30年・手取り320万) ▲約9,600万円▲ 遺族年金(段階計算) ▲約3,500万円▲ 流動資産(老後分を除き半分のみ計上) ▲約1,000万円計算上の必要保障額 約500万円「ほぼゼロ近辺」が我が家の真実です。それでも2,000万円の保障を残しているのは、以下の理由から。配偶者所得が病気・介護等で減少するリスク 教育費を私立シナリオで考えるとさらに上振れ 生活水準を急に下げないためのバッファー 流動資産は老後資金にも使うので、丸ごと遺族用にしたくないこれらを加味して「私が死亡しても遺族の選択肢を狭めない金額」として2,000万円を設定しました。 重要な注意:妻死亡時の遺族年金は「夫」には極めて薄い ここで一つ重要な事実を補足します。 遺族厚生年金は「妻」には極めて手厚いが、「夫」が受給する場合は55歳以上の年齢要件があります(日本年金機構)。 つまり、妻が死亡した場合、夫(30代)は遺族厚生年金を受給できません。遺族基礎年金は子が受給しますが、夫自身に対する公的保障は乏しい構造です。 このため、「夫婦同額の保障で良い」とは限らず、本来は妻側の保障設計は別ロジックが必要です。我が家は便宜上同額の2,000万円としていますが、「妻が死亡した場合は家事育児の外部委託コスト+父親側の所得減少リスクをカバーする」観点で、別途設計するのが本筋です。 これは次回の見直し時に検討します。死亡保険の3タイプ比較 掛け捨ての死亡保険には、大きく3タイプあります。 ① 定期保険(保険金額固定)保険期間中は同額の保険金が支払われる 例:10年定期で2,000万円なら、1年目でも10年目でも死亡時は2,000万円 シンプルで選びやすい② 収入保障保険(残存期間×月額)残り期間に応じて保険金が逓減する 例:60歳満了で月10万円の収入保障型 → 30歳死亡なら 30年×120万 = 3,600万円、50歳死亡なら 10年×120万 = 1,200万円 子の年齢とともに必要保障額が下がっていく実態に合致 保障が時間とともに減るため保険会社のリスクが小さく、結果として同じピーク保障額あたりの保険料が安い③ 逓減定期保険(一時金型・段階逓減)一時金で支払われるが、保険期間中に保険金額が段階的に減っていく 住宅ローン残高に合わせるなど、目的が明確な場合に使う 収入保障保険と混同されがちだが、「一時金 vs 年金形式」「年単位の段階減 vs 月単位の逓減」の違いがある④ 終身保険(生涯保障)死ぬ時期に関わらず必ず支払われる 解約返戻金がある(貯蓄性) 保険料が高く、実質的には貯蓄型保険 掛け捨て前提の見直しでは原則選択肢から外す 例外として、相続税の死亡保険金非課税枠(500万円×法定相続人)を活用する目的の場合のみ、限定的に検討の余地あり。ただし若年共働き世帯では通常不要どれを選ぶべきかタイプ 推奨 理由定期保険 ◎ シンプル重視 計算しやすい・見直しやすい収入保障保険 ◎ コスパ重視 同じピーク保障額に対する保険料が割安逓減定期保険 △ 用途限定 住宅ローン残債対応など目的が明確な場合終身保険 △ 相続対策のみ 通常の死亡保障目的なら不要我が家はシンプルさ重視で定期保険を選びましたが、子の年齢に応じて必要保障額が逓減する実態を考えると、収入保障保険のほうが本来は合理的です。次回見直し時の選択肢として検討しています。我が家がチューリッヒ生命を選んだ理由 最終的に我が家がチューリッヒ生命の定期保険を選んだ理由を整理します。 ① 保険料の安さ 複数の保険比較サイトで見積もった結果、同じ2,000万円・10年定期の保障で最安水準でした。 複数社の保険料を比較できる主な比較サイトは以下のとおりです。価格.com 保険:定番。死亡保険・医療保険・がん保険を網羅 保険市場(hokende):取扱保険会社90社超 ほけんの窓口:店舗相談派向けなお、これらの比較サイトはいずれもアフィリエイト報酬で運営されており、表示順や「おすすめ」には一定のバイアスが含まれます。複数サイトで同条件の見積もりを取って横並びで比較するのが、最も中立に近い検討方法です。 ② ネット完結(申込・告知段階) チューリッヒは申込・告知がネット完結対応。営業員との対面が不要で、煩雑な手続きが省ける点が大きな魅力でした。 ただし保険金請求段階では、死亡診断書等の原本郵送が必要で「完全ネット完結」ではありません。これは業界全般の事情(マネロン対策・本人確認・支払査定)から避けられない構造です。誤解を招きやすいポイントなので明確にしておきます。 ③ 経営健全性(ソルベンシー・マージン比率) 保険会社を選ぶ際の見落としがちなチェックポイントが、ソルベンシー・マージン比率(保険金支払余力)です。 金融庁の早期是正措置発動基準は200%。主要生保はおおむね1,000%以上を確保しています。チューリッヒも基準を大きく上回る健全性を維持しています。保険ショップvsネット——どちらで選ぶべきか観点 保険ショップ(対面) ネット比較サイト比較対象 取扱保険会社のみ 提携保険会社内で比較可バイアス 手数料の高い商品を勧められやすい アフィリエイト報酬による表示順バイアスあり説明の手厚さ 詳しい説明あり 自分で調べる申込のしやすさ 即日対応 自分のペース「無料で相談できる」ショップはほぼ全てが保険会社からのコミッションで運営されています。ショップ側は手数料の高い商品を勧めるインセンティブを持っています。 一方で、ネット比較サイトもアフィリエイト報酬モデルで運営されており、「おすすめ」「ランキング」の表示順は完全に中立とは限りません。 完璧な中立性を求めるなら、複数の比較サイトで同条件の見積もりを取って横並びで比較するのが最も合理的です。「1サイトの結果を鵜呑みにしない」のが鉄則。見直すタイミング 掛け捨て生命保険はライフイベントごとに見直すことが前提の商品です。我が家は以下のタイミングで見直しています。 ① 子の出生 子どもが増えるたびに必要保障額は増えます。我が家は今年第2子が誕生したため、見直しを検討中です。 ② 住宅購入 住宅ローンを組むと団体信用生命保険(団信)で住宅ローン残高が保障されます。 ただし、注意点がいくつかあります。団信は「保険金=ローン残債」で遺族に現金は残らない——残債が完済される代わりに、現金保障はゼロ 3大疾病団信・ワイド団信などの上乗せ団信は保険料が金利に上乗せされる フラット35は団信任意——加入しないとローン残債は遺族に残る団信があるからといって生命保険を不要にするのではなく、「住宅ローン残債分」と「遺族の生活費保障分」は別物として考えるのが正しいアプローチです。 ③ 配偶者の就労状態変化 共働き→専業主婦(夫)になった場合、配偶者所得を差し引けなくなるため、必要保障額が増えます。 ④ 保険期間の終了が近づいたとき 10年定期なら8〜9年目に次の更新を検討。年齢が上がると保険料が上がるため、必要保障額が下がっていれば保険金額を減額して保険料の上昇を抑えられます。 ⑤ 流動資産が大幅に増えたとき NISA・iDeCo等で資産が積み上がれば、その分だけ必要保障額は下がります。我が家の今後の見直しポイント(第2子誕生に伴う) 第2子誕生で必要保障額の再計算が必要なため、見直し時には以下を検討します。 検討項目保険金額の引き上げ:2,000万円 → 2,500〜3,000万円程度 収入保障型への切替:定期保険から収入保障保険への変更で、同保険料で総保障額を増やせる可能性 保険期間の調整:子の独立タイミング(末子が大学卒業する22年後)まで我が家の現状(共働き・流動資産2,000万円・住宅ローンなし)では、過剰保障になる必要はないため、月5,000〜6,000円程度に抑えつつ収入保障型に切り替えるのが現実的なゴールと考えています。まとめ項目 内容現在の保険 チューリッヒ生命 10年定期保険金額 夫婦それぞれ2,000万円月額保険料 夫婦合計3,800円加入時期 33歳・第1子誕生後選定理由 比較サイトで保険料の安さ・ネット完結・経営健全性次の見直し予定 第2子誕生に伴う保障額再計算検討中の変更 定期保険 → 収入保障保険おすすめ書籍 📚 山崎元『新NISA対応 超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』 → Amazon商品ページ 「保障と投資を分ける」発想を体系的に学べる定番の一冊。掛け捨て+NISAの組み合わせがなぜ合理的かが腹落ちします。 📚 両学長『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』 → Amazon商品ページ 「守る力」の章で保険の必要保障額を計算する具体的な手順が学べます。家計の全体像を整える上で必携。関連記事貯蓄型保険3社を解約してNISAに全額移した話 がん保険・医療保険を全部解約した話よくある質問(FAQ) Q1. 独身で扶養家族がいなくても生命保険は必要ですか? 基本的には不要です。生命保険の本質は「自分が死亡したとき、経済的に困る人がいるか」。独身で扶養家族がいなければ、葬儀費用程度(数百万円)は貯蓄でカバーできるので、生命保険に入る経済合理性は乏しいです。 Q2. 子どもがいない共働き夫婦は必要ですか? 配偶者が経済的に自立している(正社員等)であれば、原則不要です。配偶者が単独で生活費を賄える状況なら、生命保険の必要保障額はゼロに近づきます。ただし、住宅ローンが残っていて団信に入っていない場合は、ローン残高相当の保障が必要です。 Q3. 子どもが生まれたらすぐに加入すべきですか? 遅すぎず早すぎず、第1子の出生直後がベストタイミングです。出生前は保障対象がいないので不要。一方、加入が遅れると未加入期間中に事故等で保障ゼロのリスクが生じます。我が家も第1子誕生直後(私33歳・妻30代前半)で加入しました。 Q4. 終身保険のほうが「資産が残る」ので得ではないですか? これは典型的な誤解です。終身保険は保険料が高く、運用利回りが低い貯蓄商品にすぎません。同じ予算で「掛け捨て定期+NISA」にすれば、保障額は同等以上、運用利回りは数倍になります。詳しくは貯蓄型保険3社解約の記事を。 Q5. 収入保障保険と定期保険、結局どっちがいいですか? コスパなら収入保障保険・シンプルさなら定期保険です。子の成長とともに必要保障額は逓減していくので、理論的には収入保障保険のほうが合理的。ただし、定期保険は計算がシンプルで見直しやすいため、初心者には定期保険のほうが管理しやすい面もあります。 Q6. 持病があっても入れる保険はありますか? 引受基準緩和型(限定告知型)や無告知型の定期保険があります。ただし、保険料は通常型の1.5〜2倍になることが一般的です。持病がある方は、まず通常型の告知でNGか確認してから、緩和型を検討する流れが良いです。一部の持病であれば通常型でも入れるケースもあります。 Q7. 保険ショップで「相談してから決めましょう」と言われたら? 「ネット比較サイトで候補を絞ってから来ました」と伝えてください。ショップ側は「手数料の高い商品を勧める動機」を持っているので、比較サイトで候補を持ってから訪問するのが最も合理的です。または、ショップに行かずネット完結で申し込むのが手数料の節約にもなります。 Q8. 専業主婦(夫)の生命保険は必要ですか? 「家事・育児の外部委託コスト」相当の死亡保障は必要というのが一般論です。専業主婦(夫)が亡くなると、家事・育児を外部委託することになり、保育料・ベビーシッター・家事代行などで年間200〜400万円程度の追加コストが発生します。子どもが幼いほど高額です。乳幼児期(子0〜6歳):1,000〜1,500万円程度 就学後(子7歳以降):500〜1,000万円程度子の年齢に応じて保障額の見直しが必要です。終わりに——保険は「最小限の保障を最安価格で」 掛け捨て生命保険は、保険の中で最も合理的でシンプルな商品です。 「もしも自分が今死亡したら」を計算式に当てはめれば、必要な保障額と保険料が見えてきます。それを最安価格で買うのが、家計を守る上での正解です。 「掛け捨ては勿体ない」は誤解。「必要な保障を必要な期間だけ買う」のが、保険の本質です。 この記事が、あなたが過剰な保障や割高な貯蓄型保険から抜け出すきっかけになれば嬉しいです。※本記事は運営者個人の体験・調査に基づくものです。具体的な保険判断はご自身でFP等の専門家にもご相談ください。詳細は免責事項をご確認ください。
- 31 May, 2026
がん保険・医療保険を全部解約した話【FP3級・夫婦月1万円の保険料が消えた瞬間】
「がん保険があれば、もしものとき安心」——そう信じていた時期がありました。 私と妻は、長年がん保険・医療保険に加入してきました。月々の保険料は夫婦合わせて約1万円。年間で約12万円、10年で120万円。それを「家族を守るための投資」と思って払い続けていたのです。 でも、ある日全部解約しました。「がん保険はがんから守ってくれるわけではなかった」——その当たり前の事実に、ようやく気づいたからです。 この記事では、夫婦で月1万円の医療保障をすべて解約するまでに何を学び、何に気づいたかを、FP3級と山崎元氏の遺著を頼りに整理します。我が家の経緯——親のがん死から生まれた「漠然とした不安」 最初に正直に書きます。 私と妻のそれぞれの親が、30代前半でがんで亡くなっています。 若くしてがんで親を失った経験は、「自分たちも遺伝的に若くしてがんになるかもしれない」という漠然とした不安を、我が家にずっと植え付けていました。 その不安への「対処」として選んだのが、がん保険・医療保険への加入でした。営業に勧められたわけではなく、自分たちの意志で「もしもの備え」として加入していたのです。加入していた医療保障の全貌 解約前、我が家には4つの医療保障がありました。 ①〜③ アクサ生命:がん保険+医療保険+先進医療特約がん診断時の一時金 入院給付金(日額型) 通院給付金 先進医療特約④ 公務員共済組合の団体医療保険共済組合の福利厚生として加入できる団体医療保険 民間より割安な掛金で同等の保障これら4つの保障の月々合計が、夫婦合わせて約1万円でした。年間12万円、10年で120万円——「もしものために」というフレーズで、これだけのお金を払い続けていたわけです。解約を決めた2つのきっかけ きっかけ① FP3級の取得 私は2024年にFP(ファイナンシャル・プランナー)3級を取得しました。 FP3級の試験範囲には、生命保険・医療保険の制度設計と公的保険制度の概要が含まれます。 体系的に学んでみて、初めて気づいたのです。日本の公的医療保険は世界最高峰の手厚さがあること 民間医療保険の給付内容は、公的保険でカバーできる範囲のごく一部を「上乗せ」しているだけのこと がん保険・医療保険の保険料の大半は「不安への課金」であって、合理的な保障コストの対価ではないこときっかけ② 山崎元氏の遺著『がんになってわかった お金と人生の本質』 経済評論家の山崎元氏は、2022年に食道がんが見つかり、闘病の末2024年に逝去されました。その最後の著作として刊行されたのが、『がんになってわかった お金と人生の本質』です(朝日新聞出版、2024年7月)。 山崎氏ご自身ががん患者として経験したからこそ書ける、本物の説得力がありました。本の核心は、シンプルです。がん保険は「がん」から守ってくれるわけではない——がん細胞は契約の有無と関係なく増殖する 保険でカバーされるのは治療の自己負担の一部であり、それ自体は公的医療保険でも十分対応可能 「不安への対価」として保険料を払うのは、合理的な経済判断ではない——本当に必要なのは、何かあった時に困らないだけの貯蓄と、正しい知識「がん保険があれば安心」と思っていた私の前提は、この本で完全に崩されました。がん保険・医療保険の「商品の中身」を分解する そもそも、私たちが「保障」だと思っていたものは、具体的にどんな給付の組み合わせだったのか。給付種類 内容 実際の支払条件診断一時金 がんと診断されたら一時金が支払われる 上皮内新生物は対象外 or 減額の商品が多い。給付回数や期間制限あり入院給付金 入院日数×日額 入院日数の短期化で実支給額が想定より少ないケースが増加**通院給付金 退院後の通院日数に応じて支給 「入院に伴う通院」が条件の商品も。通院単独治療**は対象外手術給付金 手術1回ごとに支給 約款指定の手術のみ。指定外の手術は対象外先進医療特約 先進医療の技術料を保障 治療時点で先進医療リストに載っているものが対象(後述の落とし穴あり)ここで重要なのは、どの給付も「治療を受けた事実」を保険会社が認めた範囲でしか払われない点です。約款を読まないと、「カバーされていると思っていたが実は対象外だった」というケースは普通にあります。先進医療特約の重大な落とし穴 私たちが特に重視していたのが先進医療特約でした。「先進医療なら数百万円かかる治療もカバーされる」という説明を受け、「いつかの大病に備えて」と思って付帯していました。 しかし、よく調べてみると、先進医療特約には致命的な構造上の問題がありました。 落とし穴①:保障されるのは「治療時点」の先進医療 先進医療特約は、契約時ではなく、治療を受けた時点で「先進医療」として認められている技術が対象です(東京海上日動あんしん生命解説)。 つまり:契約時に「これは将来役立つ」と思っていた技術が、治療時点で先進医療リストから外れていれば保障されません落とし穴②:「保険適用」になった技術は、先進医療から外れる これがもっとも見落とされがちな点です。 先進医療とは、「標準治療として効果が実証されていく途上の医療技術」のこと。エビデンスが蓄積し、治療効果が認められると 公的医療保険の適用対象になります。保険適用された瞬間、その技術は「先進医療」から外れるため、先進医療特約の対象からも外れます。 実例:陽子線治療のうち、小児がんや前立腺がんの一部に対するものは、すでに先進医療から削除され公的医療保険の対象になっています。 つまり、「先進医療特約に入っていれば最新治療に備えられる」というイメージは、実態とずれているのです。本当に効果がある治療法は標準治療化されて公的保険でカバーされ、特約から外れていく。残るのは「まだ効果が実証されていない(エビデンスが集まっていない)治療」だけ、という構造です。 落とし穴③:将来の新技術は「特約に含まれる保証はない」 「将来、新しい治療法が出てきたときのために」と先進医療特約に入る人は多いですが、将来出てくる治療法が必ず先進医療として認可される保証はありません。また、認可されても実施できる医療機関は限定されています(JA共済の解説)。 「将来の安心のため」と思って払っていた先進医療特約の保険料は、「もしかすると将来の自分には全く役に立たない可能性が高い」のです。公的保険制度の徹底解説 民間の医療保険を解約できると判断できたのは、日本の公的保険制度を体系的に理解したからです。FP3級で学ぶ範囲ですが、これだけで医療費の備えはほぼ完結します。 ① 高額療養費制度——医療費の自己負担に上限がある 公的医療保険には、月の医療費自己負担に上限額を設ける高額療養費制度があります。所得区分 月の自己負担上限年収約1,160万円以上 252,600円+(医療費−842,000円)×1%年収約770〜1,160万円 167,400円+(医療費−558,000円)×1%年収約370〜770万円 80,100円+(医療費−267,000円)×1%年収約370万円以下 57,600円(定額)住民税非課税世帯 35,400円(定額)例えば年収500万円の世帯で、医療費が月100万円かかったとすると、自己負担は約8.7万円に収まります(80,100円+(1,000,000円−267,000円)×1%)。残りは公的保険から給付されます。 さらに、同じ世帯で複数の医療費が発生したり、同一人物で12ヶ月以内に3回以上高額療養費に該当したりすると、4回目以降の上限額がさらに引き下がる「多数回該当」の仕組みもあります。 なお、我が家は実際に出産でこの制度を2回体験しました。吸引分娩(保険適用)と正常分娩(適用外)で自己負担がどう変わったかは、高額療養費制度を出産で2回体験した話で詳しく書いています。 ② 健康保険組合・共済組合の「付加給付」 会社員や公務員が加入している健康保険組合・共済組合の多くには、付加給付(一部負担金払戻金)という独自制度があります。 代表的なパターンは「1ヶ月の自己負担が約2万5,000円を超えた分を組合が補填」というもの。これにより、高額療養費の上限が更に下がり、実質月数万円以下に抑えられるケースが多くあります。 会社員・公務員の方は、まず自分が所属する健康保険組合・共済組合の付加給付の有無を確認してください。組合の公式サイトや組合員ハンドブックに記載されています。 ③ 傷病手当金——「働けない期間」の所得補償 傷病手当金は、業務外の病気やケガで仕事を休んだ際の所得補償です。連続3日間の待期期間後、4日目から支給 支給期間は通算で1年6ヶ月 支給額は標準報酬月額の3分の2相当つまり、がんの治療で長期入院・通院することになっても、最大1年6ヶ月は給与の2/3が公的に補償されるわけです。 ④ 障害年金——長期にわたる就労困難への備え がんの治療や後遺症で長期間就労できない場合、障害年金の対象になるケースもあります。 国民年金加入者は障害基礎年金、厚生年金・共済加入者は障害厚生年金まで受けられる可能性があり、月数万円から十数万円の年金が支給されることがあります。 ⑤ 自立支援医療・指定難病医療費助成 がんの種類によっては、指定難病として医療費が公費負担になる場合もあります。自治体ごとの助成制度も存在します。シミュレーション:もし今がんになったら、いくらかかるか 具体的に試算してみます。年収500万円・年収約370〜770万円帯の世帯で、以下のようながん治療を受けたと仮定します。入院30日(手術1回):医療費総額150万円 退院後の通院治療6ヶ月:医療費総額60万円公的保険のみの自己負担期間 医療費総額 高額療養費後の自己負担入院月 150万円 約95,830円(80,100円+(1,500,000−267,000)×1%)通院月(×6ヶ月) 各10万円 約81,100円/月(80,100円+(100,000−267,000)×1%だが負担ベースで80,100円)合計(高額療養費だけ) 210万円 約58万円健康保険組合・共済組合の付加給付があった場合 会社員・公務員の場合、付加給付で月の自己負担を2万5千〜3万円程度に抑えられるケースが多く、合計自己負担は20〜25万円程度に収まることもあります。 傷病手当金で所得補償治療期間中は給与が出なくとも、標準報酬月額の2/3が傷病手当金で給付 年収500万円なら、月約27万円が補償される計算結論:貯蓄60〜100万円があれば、医療保険なしでもがんに対応できる 月8.7万円の医療費上限+付加給付+傷病手当金+貯蓄——この組み合わせがあれば、月1万円の医療保険料を払い続ける合理性は完全に消えます。医療保険の構造的問題——入院日数の短期化 民間の医療保険の中核は入院日額×日数ですが、医療技術の進歩により入院日数は年々短くなっています。 厚生労働省「患者調査」によれば、平均在院日数の推移は以下のとおり。年度 全傷病平均在院日数平成2年(1990年) 44.9日平成17年(2005年) 37.5日平成29年(2017年) 29.3日令和2年(2020年) 27.5日つまり、「入院日額×日数」型の医療保険は、時代とともに支払額が縮小する構造を持っています。 加えて、近年のがん治療は通院・外来化学療法にシフトしています。「入院給付があれば安心」と思っても、そもそも入院せずに通院で治療が完結することが増えているのです。我が家の現在の備え方 民間の医療保険を全部解約した我が家は、現在以下の組み合わせで医療リスクに備えています。 ① 公的医療保険+付加給付(最強の基盤) 健康保険組合(または共済組合)の付加給付があるおかげで、月の医療費自己負担は実質2〜3万円程度に抑えられます。 ② 傷病手当金(働けない期間の所得補償) 最大1年6ヶ月・給与の2/3。これだけあれば、長期治療でも生活は破綻しません。 ③ 生活防衛費(現金で6ヶ月分) 万一の医療費・所得減少に備えて、生活費6ヶ月分の現金を確保。民間医療保険の代わりに、自分で「現金プール」を持つ発想です。 ④ NISAでの資産形成 旧つみたてNISA・新NISAでの長期積立。いざという時の追加流動性源として機能します。 ⑤ 配偶者の所得 夫婦共働きであれば、片方ががんになってももう片方の収入で家計の基盤が維持できます。これは大きな保険でもあります。がん保険・医療保険の解約で得たもの 夫婦で月1万円の医療保険を解約して、得たものは以下です。項目 内容キャッシュフロー 月1万円・年12万円が手元に残るNISAへの追加投資原資 解約浮いた分を新NISAに毎月積立「不安からの自由」 「保険があるから安心」ではなく「制度を理解しているから対応できる」という確信に変わる時間的自由 約款を読み返す時間、特約を確認する時間が消えた「不安への課金」をやめると、生活はずっと身軽になります。これから加入を検討しているあなたへ がん保険・医療保険への加入を検討する前に、以下のチェックリストを必ず確認してください。 加入前に確認すべき5つの公的制度高額療養費制度——あなたの所得区分での月額自己負担上限はいくらか? 健康保険組合・共済組合の付加給付——加入組合の規約に「一部負担金払戻金」「付加給付」の項目はあるか? 傷病手当金——会社員・公務員なら、最大1年6ヶ月・給与の2/3が補償されることを認識しているか? 障害年金——長期就労困難になった場合に受給可能な年金額を試算したか? 配偶者・家族の所得——世帯としての所得補完体制はあるか?約款を読むときの注意点3つ「対象外」となる条件を必ず確認(上皮内新生物・特定の手術・通院単独治療など) 先進医療特約は「治療時の先進医療リスト」が対象であり、保険適用化された治療は対象外 給付の上限回数・期間を必ず確認これらを確認した上で、それでも「保険が必要」と判断するなら加入する。順番が逆だと、不安に課金するだけの契約になります。まとめ項目 内容加入していた保障 アクサ生命がん保険・医療保険・先進医療特約/公務員共済組合の団体医療保険月々の保険料 夫婦合算で約1万円(年12万円・10年で120万円)解約のきっかけ FP3級取得+山崎元『がんになってわかったお金と人生の本質』先進医療特約の問題 治療時の先進医療リストが対象。保険適用化された治療は対象外公的保険の備え 高額療養費制度(月約8.7万円上限)+健康保険組合付加給付+傷病手当金(給与2/3・1年6ヶ月)現在の備え 公的保険+生活防衛費6ヶ月分+NISA+配偶者所得おすすめ書籍 📚 山崎元『がんになってわかった お金と人生の本質』 → Amazon商品ページ 山崎元氏が自身のがん闘病経験から書き上げた遺著。当事者の視点でがん保険・医療保険の本質に切り込み、「保険は『安心の道具』ではない」ことを明確にしてくれます。私と妻ががん保険・医療保険を解約する決断ができたのは、この本のおかげです。 📚 山崎元『新NISA対応 超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』 → Amazon商品ページ 保険を解約した後の運用先として、新NISA活用法を学べる定番の一冊。「保険から投資へ」の流れを一気に理解できます。 📚 両学長『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』 → Amazon商品ページ 5つの力(貯める/稼ぐ/増やす/守る/使う)でお金の全体像を学べるベストセラー。「守る」の章で、保険の必要性を分解して考える視点が学べます。関連記事 → 貯蓄型保険3社を解約してNISAに全額移した話 → 高額療養費制度を出産で2回体験した話【吸引分娩は約12万円・正常分娩は約27万円】 → 我が家の保険ポートフォリオ全公開よくある質問(FAQ) Q1. 家族にがん患者が多くてもがん保険は不要ですか? 私と妻のそれぞれの親ががんで亡くなっています。それでも我が家はがん保険を解約しました。理由は「がん保険は経済的損失をカバーするものであり、がんを予防するものではない」から。家族歴があるなら、保険料に使うお金を定期検診の徹底と生活防衛費の積み増しに回すほうが合理的です。「不安」と「合理性」は別物として整理してください。 Q2. 子どもの医療保険は必要ですか? ほとんどのケースで不要です。子どもは乳幼児医療費助成制度で多くの自治体で医療費が無料または低額に抑えられます。地域差があるので、自治体の助成制度を必ず確認してください。 Q3. 先進医療特約だけ残すのはアリですか? 考え方次第ですが、月数百円の特約料に対して、給付の不確実性が高いことを理解した上で判断してください。「将来役に立つかもしれない」という期待値で払う特約料は、長期で見ると「先進医療リストに技術が残り、治療を受け、医療機関が対応していた」という複数条件をすべて満たした時のみ意味を持ちます。 Q4. 自営業・フリーランスでも医療保険は不要ですか? 会社員・公務員と比べると、傷病手当金が国民健康保険にはないため、所得補償の観点で備えは厚めにする必要があります。ただし、その備えも民間医療保険ではなく現金プール(生活防衛費を厚く)や所得補償保険・就業不能保険で検討する方が合理的です。 Q5. がんになった時の精神的サポートはどうしますか? がん保険の本当の価値は「お金」より「精神的な安心感」だという主張もあります。これは否定しません。しかし、その安心感に夫婦で月1万円・10年で120万円を払う合理性があるかは別問題です。私たちは「公的制度の理解」と「貯蓄」で同等の安心感を得られると判断しました。 Q6. 健康保険組合の付加給付がない人はどうしますか? 国民健康保険加入者や、付加給付のない健保組合に加入している場合は、高額療養費制度の上限額(月約8.7万円)が実質的な医療費上限になります。この場合は、生活防衛費を厚めに確保(6ヶ月→12ヶ月分など)することで対応可能です。それでも民間医療保険の月数千円〜1万円の保険料を10年単位で払い続けるよりは合理的です。 Q7. 共済組合の団体医療保険は割安なのでは? 民間より割安なのは事実です。しかし、「割安」と「不要」は別の判断です。我が家は共済の団体医療保険も含めて全部解約しました。割安でも、公的保険+付加給付でカバーされる範囲を重複して保障する必要はないと判断したからです。終わりに——「不安」を「制度の理解」に置き換える がん保険・医療保険の本質は、「不安への課金」です。 不安は人間にとって自然な感情なので、それを否定するつもりはありません。でも、「不安に対して保険料を払う」のと、「不安に対して制度を学ぶ」のとでは、得られるリターンが桁違いに違う——これがFP3級取得と山崎元氏の遺著で私が気づいたことです。 夫婦で月1万円・10年で120万円。この金額が「不安への課金」として消えていたという事実は、振り返ると恐ろしいものがあります。 この記事が、あなたが同じ「不安への課金」をやめるきっかけになれば嬉しいです。※本記事は運営者個人の体験・調査に基づくものです。具体的な保険・医療判断はご自身でFP・医師・税理士等の専門家にもご相談ください。詳細は免責事項をご確認ください。