目次
「学資保険、いつ加入するの?」
第1子が生まれてから何度か聞かれた質問です。結論から書くと、我が家は学資保険に加入しませんでした。
代わりに 子ども名義の特定口座と児童手当の全額投資で教育費を貯めています。なお、夫婦のNISAは老後資金専用として運用しており、教育費とは口座を分けています(学費が不足した場合の最後の保険としては想定しています)。
この記事では、なぜ学資保険を選ばなかったか、そして我が家が実際に行っている教育費の貯め方を、実際の月額・目標額込みで全公開します。
結論:学資保険を「検討して、加入しなかった」
我が家はFP3級を取った後、教育費の貯め方を改めて検討しました。
学資保険も候補に入れて比較しましたが、最終的に加入しない判断をしました。
| 教育費の貯め方 | 我が家の判断 |
|---|---|
| 学資保険 | ❌ 加入しなかった |
| 子ども名義の特定口座 | ✅メイン(eMAXIS Slim 米国株式 S&P500) |
| 児童手当 | ✅ 全額特定口座で投資 |
| 普通預金 | ✅ 一部(こどもNISA開始まで一時的) |
| 夫婦のNISA | ⚠️ 老後資金専用。学費不足時の最終バッファ |
学資保険を選ばなかった理由
理由はシンプルです。学資保険の本質を分解して理解した結果、より合理的な選択肢が見えたからです。
学資保険は「長期運用 + 親の死亡保険」のセット商品
学資保険の構造を分解すると、こうなります。
| 機能 | 中身 |
|---|---|
| 長期運用 | 18年間の積み立てによる返戻率(最近は103〜105%程度) |
| 親の死亡保障 | 契約者(親)が亡くなった場合、保険料免除+満期金保証 |
| 強制力 | 解約しにくいことで「半強制的に貯まる」効果 |
この3つを別々に買えるなら、その方が圧倒的にコスト効率が良い——これが結論でした。
分解した方が合理的な3つの理由
① 運用は「NISA + 優良投資信託」の方が期待リターンが高い
学資保険の返戻率は 18年で103〜105%(年率換算0.2〜0.3%)程度。
一方、NISAで全世界株式やS&P500のインデックスファンドに18年積み立てると、過去実績ベースで年率5〜7%が期待できます(保証ではありません)。
仮に月3万円を18年積み立てた場合:
| 方法 | 元本 | 期待値(18年後) |
|---|---|---|
| 学資保険(年率0.3%) | 648万円 | 約665万円 |
| NISA(年率5%) | 648万円 | 約1,030万円 |
| NISA(年率3%・保守的) | 648万円 | 約860万円 |
「子供の進学時期に絶対元本割れしない」ことを最優先するなら学資保険ですが、18年という長期間の運用で元本割れする確率は、過去データ上は非常に低い。リスクを取って期待リターンを伸ばすほうが、結果的に有利と判断しました。
② 死亡保障は「掛け捨て定期保険」の方が安い
「親に万一があったら子供の学費を確保したい」——この目的は、掛け捨ての定期保険で達成できます。
我が家はチューリッヒ生命の定期保険プレミアムに夫婦それぞれ2,000万円・月合計3,800円で加入しています。これで「親の死亡時の教育費」もカバーされています。
学資保険に組み込まれた死亡保障は、割高な保険料の中に埋め込まれているため、見えないコストになります。
③ 流動性が圧倒的に違う
学資保険は途中解約すると元本割れします。一方、NISAはいつでも非課税で売却・引き出し可能。
「教育費が必要になるタイミングが想定より早い」「他のライフイベントで現金が必要になった」——こうした変化に対応できるかどうかは、長期家計運用では極めて重要です。
我が家の教育費の貯め方【実数値公開】
ここからは、実際に我が家がどう貯めているかを公開します。
第1子(3歳)の月額
| 区分 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 児童手当 | 1万円 | 12万円 |
| 預金からの積立 | 2.5万円 | 30万円 |
| 合計 | 3.5万円 | 42万円 |
※ 3歳になるまでは児童手当が月1.5万円だったので、合計は月4万円でした。
第2子(0歳)の月額
第2子は出生直後でまだ本格運用前です。学費の値上がりも含めて再試算予定で、今後第1子と同等以上の積み立てを設計します。
貯め先の構成
| 貯め先 | 用途 |
|---|---|
| 子ども名義の特定口座 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を積立購入 |
| 普通預金(待機資金) | こどもNISA開始時に毎月一定額を移動して投資する予定 |
| 児童手当 | 100% 特定口座で投資信託購入 |
設計のポイント
- 児童手当は1円も生活費に回さない:「子供のためのお金」として明確に分離
- 子ども名義口座にすることで、心理的にも「教育費は別枠」と認識できる
- 夫婦のNISA1,800万円枠は老後資金として温存:教育費は子ども名義の特定口座でカバー
なお、こどもNISAが制度として整備された段階で、特定口座から移行する想定です(現時点では制度設計待ち)。
目標額:私立の中高一貫校への進学を想定した資産運用
我が家の教育費目標は、「2人とも中学から私立に行っても問題ない」水準です。
具体的には、私立の中高一貫校への進学を想定した資産運用を行っています。
想定する学費(私立中高一貫校 + 私立大学)
| 期間 | 区分 | 学費目安(年間) | 期間合計 |
|---|---|---|---|
| 中学3年間 | 学費+諸経費 | 80〜90万円 | 約250〜270万円 |
| 高校3年間 | 学費+諸経費 | 80〜90万円 | 約250〜270万円 |
| 大学4年間 | 私立文系 | 100〜130万円 | 約500〜520万円 |
| 6+4 = 10年間 | 約1,000〜1,060万円 |
※ 上記は学費+施設費+教材費の概算で、塾代・受験費用・通学定期等は含みません。塾代込みで見積もると1人あたり1,200〜1,500万円が現実的な目標になります。
2人分の合計
2人分なら、教育費だけで約2,400〜3,000万円——これが我が家の目標額です。
この数字を見ると、学資保険の返戻率では到底届かないことが分かります。一方、子ども名義の特定口座 + 児童手当の全額投資なら、長期運用で十分到達可能な範囲です(不足分は夫婦のNISA枠から補填する最終手段もあります)。
学費の値上がりリスク
実は、私立学校の学費はインフレで毎年微増しています。FP3級で学んだ通り、学資保険は固定リターンなのでインフレに弱い。NISAでの株式投資は、長期的にはインフレに連動する傾向があります。
第2子の本格運用開始に合わせて、学費の値上がりを織り込んだ再試算を予定しています。
学資保険 vs インデックス投資(特定口座 + NISA):徹底比較表
| 項目 | 学資保険 | インデックス投資 |
|---|---|---|
| 期待リターン | 年率0.2〜0.3% | 年率5〜7%(過去実績) |
| 流動性 | 途中解約で元本割れ | いつでも売却可能 |
| インフレ耐性 | 固定リターンで弱い | 株式は長期的に強い |
| 税制 | 一時所得課税 | NISA枠は非課税・特定口座は通常課税 |
| 親の死亡保障 | 組込み済 | 別途、掛け捨て定期で対応 |
| 強制力 | 解約しにくい=半強制 | 自分の意思が必要 |
| 元本割れリスク | 短期解約以外なし | 短中期は元本割れ可能性あり |
学資保険を選ぶ合理的な理由は見当たらない
「絶対に元本割れしたくない」「強制力がないと貯められない」——学資保険を選ぶ理由として挙げられがちなこれらの主張も、突き詰めると合理性に欠けます。
- 18年という長期間で元本割れする確率は、過去データ上は極めて低い——「絶対に元本割れしたくない」という前提自体が長期運用の理解不足から来ている可能性が高い
- 強制力が欲しいなら、自動積立を設定すれば良いだけで、流動性を犠牲にする必要はない
- 親の死亡保障は、掛け捨ての定期保険で安く・大きく確保できる
つまり、「学資保険が合理的に向くケース」というのは、突き詰めて考えれば存在しません。学資保険を選ぶ判断のほとんどは、長期運用への理解不足から来ています。
FP3級の知識があれば、両者の比較を自分で計算できます。「学資保険か、子ども名義の特定口座か」で迷っている方は、まずFP3級の勉強をしてみるのがおすすめです。
児童手当の扱いについて
我が家は 児童手当は100%、子どもの将来の教育費として投資に回しています。
| 子の年齢 | 児童手当の月額(2024年改正後) |
|---|---|
| 0〜3歳 | 1.5万円 |
| 3歳〜中学生 | 1万円(第3子以降は3万円) |
| 高校生 | 1万円(2024年から拡充) |
このすべてを生活費に混ぜず、子ども名義の特定口座で投資信託購入しています。
「児童手当は子供に渡る前提のお金」と最初に決めておくと、家計の口座と心理的にも分離できます。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学資保険 | 加入しなかった |
| 教育費の貯め先 | 子ども名義の特定口座・児童手当全額投資 |
| 夫婦のNISA | 老後資金専用(学費不足時の最終バッファ) |
| 子ども名義口座の銘柄 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
| 月額(第1子3歳) | 3.5万円(児童手当1万円+預金2.5万円) |
| 月額(第1子3歳未満時) | 4万円(児童手当1.5万円+預金2.5万円) |
| 目標額 | 私立中高一貫+私立大学・1人あたり1,200〜1,500万円 |
| こどもNISA | 開始次第、特定口座から段階的に移行予定 |
| 親の死亡保障 | チューリッヒ定期保険 で別途確保 |
「学資保険か、特定口座+児童手当全額投資か」を選ぶなら、私は後者一択だと思っています。学資保険を選ぶ合理性は、突き詰めると見当たりません。
「とりあえず学資保険」という判断は、長期運用への理解不足から来ていることが多い——これがFP3級の学習を通じて気づいたことでした。
教育費は、家計の中でも最大級の支出項目です。「なぜその方法を選ぶのか」を自分で説明できる状態にしておくことが、最終的に家計を守ります。
この記事が、教育費の貯め方に迷っている方の参考になれば幸いです。
関連記事
おすすめ書籍
📚 山崎元『新NISA対応 超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』
「保障と運用を分ける」「貯蓄型保険は不要」の基本思想がベースになる1冊です。
📚 両学長『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』
教育費・住宅・保険・投資を家計全体の中でどう位置づけるかが体系的に整理されています。
※本記事は運営者個人の体験・調査に基づくものです。投資にはリスクが伴います。NISA・特定口座での運用判断はご自身で行ってください。詳細は免責事項をご確認ください。