新NISAでインデックス投資と高配当株を5:5で持つ理由【ポートフォリオの考え方を公開】
- 09 Jun, 2026
目次
新NISAが始まってから、こんな悩みを持つ方が増えています。
「つみたて投資枠はインデックスファンドで決まりとして、成長投資枠は何を買えばいい?」「高配当株も気になるけど、インデックスだけで十分なんじゃないか……」
私も最初は迷いました。結論から言うと、今の私はインデックス投資信託と高配当株をおおむね5:5で保有しています。
なぜこの比率なのか、セクター分散をどう考えているか、そして高配当株投資で重要な「増配の力」まで、体験をもとに全部書きます。
新NISAの枠、私はこう使っています
新NISAは年間360万円、総額1,800万円まで非課税で運用できます。
| 枠の種類 | 年間上限 | 私の使い方 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 今年はフル活用。来年以降は月3万円程度に減らす予定 |
| 成長投資枠 | 240万円 | 今年はフル活用(高配当株の入替・追加) |
来年以降につみたてを絞るのは、二人目の出産を機にライフプランを見直す必要があるためです。今は先のことより「今年の枠を使い切る」に集中しています。
つみたて投資枠と成長投資枠、どちらも「フル活用できるならした方がいい」が私の考えです。非課税枠は一度失うと戻りません。
なぜインデックスと高配当株を「半々」にしたのか
多くの投資家は「インデックスか高配当か」という議論をします。でも私は、どちらか一方だけには絞れませんでした。理由はシンプルです。
**インデックス投資信託は「将来への仕送り」**です。今の自分が将来の自分に財産を渡す仕組み。20〜30年後に大きく育っているはずのお金です。
**高配当株は「今のキャッシュフロー改善」**です。保有しているだけで定期的に配当金が入ってくる。使い道はそのときの状況で自由に決められます。
どちらも捨てがたい——その結果が5:5という比率です。理論的に決めたというより、「このバランスが一番心地よい」という感覚で落ち着きました。投資は長く続けることが最も重要なので、自分が安心できる比率を選ぶことが大切だと思っています。
インデックス投資信託の選び方
S&P500とオルカン、どちらも持つ理由
私が保有しているのは以下の2本です。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
理論的にはS&P500のほうが過去の実績・将来の期待値ともに高いといわれています。ただ、どちらかだけにして、買っていないほうが大きく上がったときに後悔したくない——正直、それだけの理由です。
完全に合理的な判断ではないかもしれませんが、「後悔しない」というのも長期投資を続けるうえで大切な要素だと思っています。両方持っておけば、どちらが上がっても「持ってて良かった」と思える。
信託報酬の低さはどちらも共通しています。年率0.1%以下の優秀なファンドを選べば、コストで大きく損をする心配はありません。
高配当株の選び方
基本方針:セクター分散と長期保有
高配当株投資の核は分散と継続です。1銘柄・1セクターに集中すると、その業種が不況に陥ったときに配当が一気に減るリスクがあります。
私が意識しているセクター分散のイメージはこんな感じです。
| セクター | 選ぶ理由 |
|---|---|
| 金融(銀行・保険・リース) | 景気に連動しつつも安定配当が多い |
| 商社 | 油田・鉱山・食料など世界中の資源ビジネスに直接出資しており、増配傾向が続く |
| エネルギー | 配当利回りが高め、インフレに強い |
| 化学・素材 | 景気敏感だが長期保有で安定する銘柄も多い |
| 不動産・建設 | 配当が比較的安定している |
| J-REIT | 投資法人が不動産から得た収益を分配。利回りが高めで安定している |
| 医薬品 | 不景気でも需要が落ちにくい守りのセクター |
| 通信 | 大手は安定配当の代名詞 |
| 生活消費財・食品 | 日常必需品で業績が安定しやすい |
| 機械・輸送 | 景気循環を意識しながら組み入れ |
| サービス・物流 | 成長性のあるセクターを少量 |
特定のセクターに偏らず、景気の波に左右されにくいポートフォリオを目指しています。
銘柄の選び方
私はリベシティのマガジンを参考に、財務優良で増配の実績がある銘柄を選んでいます。マガジンでは「今月から始めるなら」という形で毎月ポートフォリオが公開されており、そこに紹介された銘柄の中から、自分のポートフォリオで少ないセクターを意識して買い足すこともあります。基準は大きく3つです。
- 自己資本比率が高く、財務が健全である
- 過去に増配の実績がある(または配当を維持してきた)
- 配当利回りが3%後半〜5%程度(高すぎる利回りはリスクのサイン)
利回りについて補足すると、保有銘柄の中には株価上昇によって現在の利回りが2%台に下がっているものもありますが、それは「持ち続ける」判断をしているだけで、新規購入の基準は3%後半からです。
また、購入タイミングは暴落時を意識しています。2024年8月の日経平均暴落、2025年のトランプ関税ショック、今年の中東情勢の悪化時など——市場が恐怖で売られる局面が、財務優良な高配当株を割安に仕込める絶好の機会です。
リバランスのポイントは「株価が大きく上がって利回りが極端に下がった銘柄を整理する」ことです。財務の良い銘柄を長期保有していると株価が上がるケースがあります。利回りが著しく低下した場合、同じ資金でより利回りの高い財務優良銘柄に移すことで、ポートフォリオ全体の配当効率を保ちます。財務優良な銘柄を選んでいるので、業績悪化による減配はよほどのことがない限り起きないという前提で保有しています。
なお、保有銘柄の中には「いつか上がれば……」という宝くじ感覚のグロース株も少し持っています。ポートフォリオの大半を安定配当株で固めつつ、少額でハイリスクな夢を持つのが私のスタイルです笑。
増配の力:配当金は「育つ」ことを知っていますか
高配当株投資でもっとも見落とされがちな視点が増配率です。
「今の配当利回りが3%」というのは購入時点の話。保有し続けることで、配当金は育っていきます。
実例:大手銀行株の10年での配当推移
増配の実例として、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)の配当推移を見てみましょう。
| 年度 | 1株あたり配当(円) | 前年比 |
|---|---|---|
| 2016/3期 | 18円 | — |
| 2018/3期 | 19円 | 微増 |
| 2020/3期 | 25円 | +32% |
| 2022/3期 | 28円 | 増配本格化 |
| 2023/3期 | 32円 | +14% |
| 2024/3期 | 41円 | +28% |
| 2025/3期 | 50円 | +22% |
| 2026/3期(予想) | 74円 | +48% |
2016年の配当は18円。2026年の予想は74円——10年で約4倍に育っています。
仮に2016年に株価500円でこの株を購入していた場合の試算です:
- 購入時の利回り:3.6%(18円÷500円)
- 2026年の「買値ベース利回り」:14.8%(74円÷500円)
これが増配の力です。株価が変わらなくても、配当金が育つことで「実質的な利回り」は年々上がっていきます。これを**Yield on Cost(取得原価利回り)**といいます。
長期保有前提で財務の良い銘柄を選ぶことが、高配当株投資の核心はここにあります。「今の利回り」ではなく「10年後も増配し続ける力があるか」で銘柄を選ぶべきだということです。
詳細な配当履歴は IRBank で各銘柄を検索すると確認できます。
私のポートフォリオ比率(実態)
現在の保有資産をざっくり分類するとこうなります。
| 分類 | 比率 | 内訳 |
|---|---|---|
| 投資信託(インデックス) | 約51% | eMAXIS Slim S&P500・オルカン |
| 国内高配当株 | 約49% | 15セクター前後・約40銘柄に分散 |
| 米国高配当ETF | 少々 | VYM・SPYDを少量保有 |
米国株は投資信託でS&P500・オルカンをすでに保有しているため、株式(ETF)での米国比率を上げすぎないように意識しています。セクター分散と同時に、地域分散も念頭に置いています。
J-REITも少量保有しています。J-REITは投資法人が不動産を運用し、その収益を分配する仕組みで、利回りが高めで安定しているのが特徴です。私はかつて投資用ワンルームマンションを3戸購入・売却した苦い経験(失敗)があり、「直接不動産を持つよりETF(上場投資信託)で持つ方がいい」という学びからJ-REITを組み入れています笑(詳しくは投資用ワンルームを3戸売却した話をご覧ください)。
NISA口座の注意点
最後に大事な点を2つ。
NISA口座は1人1口座のみです。複数の証券会社に口座を持っていても、NISAが使えるのは1社だけ。最初から長く付き合える証券会社でNISA口座を開くのがベストです(証券口座の選び方についてはこちらの記事をご覧ください)。
成長投資枠で高配当株を買う場合、売却した枠は翌年に復活します。ただし、頻繁な売買を繰り返すために使うより、長期保有を前提とした銘柄を選ぶほうが非課税メリットを最大化できます。
まとめ:「どちらかひとつ」より「両方で補い合う」
インデックスか高配当か、どちらが正解という問いに答えはありません。どちらも優れた手段であり、組み合わせることで互いの弱点を補えます。
- インデックスだけでは「今のキャッシュフロー」は改善しない
- 高配当だけでは「将来の資産最大化」には劣る
私にとっての5:5は、将来と現在のどちらも大切にしたい、というバランスの表れです。
理論よりも「続けられる」投資が最強。自分が納得できる比率で、長く続けることを最優先に考えてみてください。
よくある質問
Q. インデックス投資信託だけではダメですか? A. 十分優秀な選択肢です。高配当株を組み合わせるのは「今の生活にも恩恵がほしい」という個人的な価値観によります。必須ではありません。
Q. 高配当株はNISA成長投資枠で買うべきですか? A. 配当金が非課税になるため、NISA成長投資枠で高配当株を保有するのは有効な使い方です。本来20%課税される配当が丸ごと受け取れます。
Q. 何社くらいに分散すればいい? A. 私は国内株だけで約40銘柄を保有しています。最初から20〜30銘柄程度を目安に、複数のセクターをカバーする形で始めるのがおすすめです。イメージとしては「自分で高配当の投資信託を作る」感覚。少なすぎると特定セクターの不況に弱くなります。
Q. 配当利回りが高い銘柄ほど良いですか? A. 必ずしもそうではありません。利回りが異常に高い(7〜8%以上)銘柄は、株価下落や業績悪化を市場が先読みしているサインの場合があります。財務の健全性と増配の実績を重視してください。
Q. リベシティのマガジンとはなんですか? A. YouTuber「両学長」が運営するコミュニティ(リベシティ)が発行する投資情報マガジンです。毎月「今月から始めるならこのポートフォリオ」という形で財務優良な高配当銘柄が紹介されており、セクターバランスを意識した銘柄選びの参考にしています。
Q. S&P500とオルカン、どちらか1本に絞るとしたらどちらですか? A. 理論的にはS&P500のほうが過去のリターンは高いです。ただ「絞ることで後悔したくない」という気持ちがあるなら、両方少しずつというのも立派な戦略だと思っています。